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君はいつも突然に
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「んー………」
翌朝。土曜日の朝。10時頃に小野瀬が家に眞介君を連れて来るとのことで、そまでには起きなければと重い瞼をなんとかこじ開けて布団から起き上がる。一緒に寝ていたリクはどうやら先に起きて寝室からは出て行っていたらしい。
今日から1週間眞介君の世話をしないといけないんだけど……まあ、猫一匹増えたくらいでどうってこないか。
猫、一匹増えたとこで。
猫ね、これ重要。
伸びをしながら寝室を出てリビングにやってきた。
そこで、俺は
目を疑う光景を目撃する。
「ふぁー、ねむ。リクー、朝ごはん…………は?」
は?
え?
「んー?あー、俺今日パンがいーなー」
はぁ?
待って、
待ってって、
「え、ちょ、……」
「何?」
「お前……え?何?」
「何って……」
なんで、なんでリクが
「また人間になってんの?!?!」
意味わかんない!!!!
「んー?知らねぇー」
「知らねぇって!は?え?」
「宙、落ち着けよ…」
落ち着いていられる訳がないだろ?は?だってリクは猫に戻ったんだよね?
もう人間になる事は無いと思っていた俺。今この目の前にいるのが本当にリクなのか、あの時みたいに疑わざるを得ないのだ。
「ご主人のピンチになんか反応したんだよ」
「ピンチって……」
「あの猫来るんだろ?」
眞介君のことか…
「俺も起きたらなってからビックリしてんの」
「………」
「そりゃ前はなろうと思えばなれた、戻ろうと思えば戻れた。でもあの日また猫に戻ってからはどうする事も出来なかったんだけどさー。なんだろ、今回は知らない間になってた。あいつ…猫カフェのやつなんだろ?臭いで分かったし」
「……それでなんで……」
「それが分かんないだって……とりあえず人間のあいつと宙を一緒に居させるとかありえな、って思ってたらまあ、こうなったわけ」
「なんだよそれ……」
って事は何、俺のピンチにリクの体が勝手に順応したってこと?!
「まー、いいじゃん?……もしかしてやだ?」
「い、嫌じゃないけど…」
久しぶりの人間のリクにどうしても戸惑ってしまうし、変に緊張してしまう。
「俺はめっちゃ嬉しいけどね?」
「うわっ」
「はぁー、やっぱりこうやって抱きつけるの最高だわ」
正面からガバッと抱きつかれよろけそうになる。リクの肩からはいつもみたいに太陽のあたたかい匂いがする。
「び、びっくりしたけど…またこうやって話せて…」
「うん」
「…う、れしい、よ…」
「俺も」
リクは俺から離れるとニコッと優しい笑顔をくれた。
「あ!朝ごはん!えーと、パンだっけ?」
「うん!」
ハッと時計を見れば10時まであまり時間がなかった。
バタバタとキッチンに向かいながら朝食の準備をするのだった。
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