アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
いつもと違う昼休み
-
「霧明、よっ!」
「あっ!」
学校の廊下で僕は友達に向かって微笑む。今は昼休み。弁当を持った人で教室や廊下は埋め尽くされている。目の前にいる友達も片手に弁当袋を持っている。
「なー、一緒に食べねぇ?」
「あ、ゴメンね。僕一人で食べたいから…」
「えぇ〜!なんでいつも一人で食べるわけ?昨日なんかさおりちゃんに誘われてたじゃん。なのに断ってさぁ。もったいねぇ!!」
さおりちゃんとは男子に人気な女の子である。確かに顔は可愛いし、優しい。
…でも僕はあまりそういうことに興味がない。…というか興味をあまり持たないようにしている。
「あはは。だって一人でゆっくり食べたいからさ。…ゴメンね?」
僕が謝ると、友達は笑った。
「別に怒ってはいないよ!はいはい、わかりましたよっ!今度は一緒に食ってくれよな!」
そこでその友達とは別れた。
友達には申し訳ないのだが、僕は友達とできるだけ深く関わらないようにしている。
理由は僕の癖?というか病気?のせいで。
今まで親友とか恋人とかを作らないように努力をしている。
友達は好きだ。一緒にいると楽しい。
…でも自分の変な癖のせいで思いっきり友達と遊べないし話せない。
こんなことホントはやめたい。
一人でトボトボ歩いて、たどり着いたのは人があまり通らない廊下。
隅には二個、椅子もあるし。ここで食べるか…。
椅子に座り、自分で作った上手とは言えない弁当を広げる。
いつもこんなんじゃあ、食べ物も美味しくないや。
いつも味がしない。
ため息をつき、もそもそと食べ始めると向こうの方から足音が聞こえてきた。
「!!」
あ、ちょっとヤバイ。こんな一人で食べてるところを見られたらさすがに恥ずかしい。
知り合いだったら更にヤバイ!
今から逃げる?!いや、余計に変じゃないか?!!
そんなことを考えているうちに足音はどんどん近くなる。
ああぁあ、あ、あぁ!!もういいや!どうにでもなれ!
僕は完全に諦めた。
「……ん?」
足音の主が俺に気がついたらしい。
「おっ、珍しい!先に人がいるとは!」
僕は恐る恐るその人の顔を見ると、驚いた。なんとあの白織良佐先輩だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 9