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好きだから、一緒にいれない
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良佐先輩には悪いことをしている…。
挨拶をしている先輩に対して僕は無視をし続けているのだ。
駄目なんだ。先輩の顔を見るだけであの醜い気持ちが出てしまって。
先輩のことは好きだ。もっと一緒にいて話したいし、出かけてみたい。
久しぶりに先輩と弁当を食べたい。
でも、そんなことは絶対にできない。
でも、好きなんだよ。
先輩のことが。
「霧明、お前良佐先輩と会ってる?」
「へ?」
友達と放課後の教室で話しているとき、いきなりそんな話を持ち出されて正直焦った。
放課後といってもまだ人がいて賑やかな教室だ。
「な、なんで?」
「だって、良佐先輩よくお前を探してるぞ」
「う……」
そりゃあそうだろう。いきなり先輩の前から消えて、今は無視をし続けているのだ。
おそらく怒っているんだろうな…。
なんかもうホントに申し訳ない。
「て、いうか霧明と良佐先輩ってどういう関係なん?」
「え?えーと、一緒に弁当を食べた仲…?」
「あっ?!じゃあ、俺と弁当食べてくれなかった理由ってそれ?!!なんだよー俺も誘ってくれよー!けっこう良佐先輩のこと憧れてんだぞ」
「えぇ〜?!ホントに?ゴメンね」
あはは、と笑ってみせる。本当は現在は場所を変えて相変わらず一人で食事を済ませている。
…すると、廊下の方がなんか騒がしい。
「え?なに?どうしたんだよ?」
友達が他のクラスメイトに聞くと、
「なんか2組の方で喧嘩だと!」
とそのクラスメイトは答えたのだ。
喧嘩?!!!
僕は青ざめた。
「おい!霧明、喧嘩だとよ!!見に行こうぜ!!」
「ええっ?!」
友達は僕の腕を握り、引っ張った。
待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って今血とか見たらヤバイってホントに待って僕、壊れてしまうかもしれない。
「待って!マジでやめ、やめろっ、」
友達は聞こえていないのかどんどん僕を引っ張りながら人をかきわけていく。
いきなり視界が開けた。
2組の教室で喧嘩している二人は自分が知らない男子同士だった。
殴り合いの喧嘩だった。
「おい!先生呼んでこい!」
「鼻血が出てるぞ!」
女子の叫び声や、男子の大声などで騒がしい。
喧嘩をしている二人は大声で何か叫んでいる。
僕は二人の顔を見てしまった。一人は鼻血をダラダラと流している。頬には殴られたあともある。
そのときだ。ゾクゾクっとした感覚が身体中を巡った。
ああ、僕が大っ嫌いなあの感じだ。
心臓がうるさくなってき、た。呼吸も、荒くなって、しまう。
あ、あぁ、あああ、あ、あぁぁああぁぁぁぁ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ我慢できない‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
僕は友達の手を振りほどき、人をかきわけ、人混みから抜け出した。
とにかくこの気持ちを抑えなければ‼︎
誰もいない場所、そうだ、トイレ、トイレに行かないと!なんかもう、頭もクラクラしてきた。
走ってトイレに向かう。
「霧明っ?!!」
「?!」
後ろから声が聞こえた。
後ろを振り向くと、あの良佐先輩がいた。
なんでこんなときに、なんで、なんで、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ先輩、先輩を傷つけたくない嫌われたくない…殺したくない‼︎‼︎‼︎‼︎
「おい!!!待て!!どうしたんだよ!霧明っっ!!!!」
良佐先輩は走って僕を追いかける。
「来ないのでっ、くださ、いっ、お願い!!!来ないでっっ、!!!」
走りながら大声で叫んだ。
大好きだから、会いたくなかったのに。
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