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勉強とウーロン茶(4)
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「ウーロン茶だよ」
と、にっこり宣言する彼。
しかし、日に焼けた頬は誤魔化せないほどムズムズしています。
「絶対ウソだろ!」
「バレた? コーラをね、ちょぴっと混ぜたの」
「バカがっ!」
「勉強には糖分が必要だっていうじゃん」
「こんなの飲めるか! お前が飲め」
「えーっ」
グラスを突き出され、嫌がるように首を振っていた響でしたが、犯人として観念したようでした。
その濃い茶色の液体に、自分のストローをさします。そして一口。
「……あ、意外といける」
「えっ」
予想外の反応に拍子抜けしてしまいました。
「甘い麦茶みたい」
龍広としては、嫌がりながら飲む彼を見たかったのに。それどころか、ゴクゴクしている。
思わず、こちらもゴクリと喉が鳴ります。
「……もっかい飲ませろ」
「やだよ。まずいんでしょ?」
「まずかった。でも、なんか……」
響が飲んでいるものは、どれも美味しそうに見えてくるのです。
「自分で作ってきなよ」
「……そうする」
いつの間にやらすっかり響のペースに飲まれ、龍広はもう勉強モードではなくなってしまったのでした。
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