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とりあえず、水(1)
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5
休みの朝であろうと、龍広は七時半に目覚めます。
ケータイのアラームを手探りで止め、まだまぶたが開かないうちに身を起こす。
「……暑っ」
すでに朝日が強く差し込み、窓際のベッドはまるでホットプレートのようにアツアツになっています。
けれども、それでも、眠い。
寝不足なのです。
響のペースに巻き込まれ、つもりにつもった課題に遅くまで取り組んでしまったから。
「ううっ……」
ですが、ここで二度寝しては干物のように乾くばかり。喉はすでにカラカラ。このままだと命にかかわります。
エアコンのあるリビングに移動して、二度寝を――などと考えつつ、夢と現実を行き来していると、
『もしもーし! もしもーし!』
手の中のケータイから響の声が聞こえてきました。
『龍広くーん、寝てるの?』
「……!」
さきほど鳴ったのはアラームではなく着信音だったのです。
『もしもーし、おはようっ!』
「おはよ……」
『あ、起きてた!』
「起こされたんだよ」
『ごめんねごめんね! あのさぁ、今日さぁ、……むふふふふふっ……』
寝起きの電話口で笑われるほど不快なことはありません。
「なんだ。はっきり言え……」
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