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再び、
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やっとお小遣いがでたので、あのシリーズを買いに、あとあの人に会いにまた古書店に行ってみることにした。
学校で圭太と別れ、大通りから少し奥へ入った道を進む。
少し歩くと古書店がある街角に着いた。
数週間前に見た、あの古書店とレトロな扉を見つけると自然に歩く速度が速くなるのが自分でもわかった。
扉の取っ手をひき、息を吸い込んでから中に入る。
「…いらっしゃい。ってあぁ、君か。また来てくれたんだね。」
あの人はこの間はカウンターにいたのに今日は出入口に近い棚で整理をしていた。
「こんにちは。またあの本の続きを買いに来ました。」
この人の笑顔を見てまた言葉がつっかえそうになったけれど、今回はちゃんと言えた。
僕がこの前と同じ棚の所に行こうとすると呼び止められた。
「ちょっと待って。
あの本、君が楽しみにしていたみたいだから店には出さずに奥に仕舞っておいたんだ。1冊ずつしかないから、他のお客さんに買われたら君がシリーズで揃えようとしている意味が無くなってしまうからね。」
「え?とっておいてくださったんですか!?ありがとうございます。
…でもお店にとってはダメなんじゃ…。」
「大丈夫。了解とってあるからね。それに最近強盗がここら辺であったみたいだから盗られるよりよっぽどいいでしょ?」
少し照れくさそうに笑うこの人を見ているとまた心がきゅうっとなった。
「今日は2巻を買いにきたの?」
「はい。流石に1冊ずつじゃないと厳しいので。でも好きなもの物のためならなんだって我慢できるから大丈夫です。」
「そっか、やっぱり厳しいよね。…じゃあ、1冊ずつゆっくりここに来て買いなよ。
そうしたらその本とかお互いの事、もっとよく知れるでしょ?」
…え。お誘い?…………やったぁぁぁ!もっとこの人の事知りたいし、嬉しい!
「はいっ!じゃあ通わせてもらいますね。」
これで口実を作らなくてもここに来れる。
この先を考えるとワクワクしてしょうがなかった。
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