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俺はナイフを振り上げる。
さよなら、と呟いた後。
思いっきり振り下ろした。
が、待っていたはずの感覚は
感じられなかった。
かわりに、誰かわからない震える手が
ナイフを持っている俺の手を掴んでいた。
「また邪魔するの?誰?
俺の邪魔をするのは」
後ろを振り返った時、俺の手を掴んでいたのは
傷だらけの和也だった。
振り向いた瞬間、
パンッ‼︎
という音が工場に響く。
殴られたのか、と俺は感じた。
「律…正気に戻れ」
和也は俺の両肩を両手で掴み、
必死に訴えかけてくる。
「邪魔」
でも…もう届かないから。
今の俺は血を求めるだけの獣だから。
俺はその手を振り払い、敵リーダーと
向き直した。
その瞬間。
「わりぃな、律」
そんな声が聞こえたと同時に
うなじに鋭い痛みを感じながら
俺の意識は闇へと堕ちた。
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