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ぎゅー… 4
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「俺はその後病院に運ばれたらしくて、兄さんも警察から事情聴取を受けた後で精神病院に入れられたらしい…」
兄に傷つけられた身体と精神の回復のために波留は2ヶ月の入院を余儀無くされた
2週間ほど、都内の病院で治療を受けてから地元の病院に運ばれあとの残りを過ごした。沢山の友達が見舞いに来てくれたし、勉強も教えてくれた。先生だって何回も見舞いに来ては波留に学校の話をしてくれたりして楽しかった。
「……波留の身体にある傷ってそれが原因なの?」
清が波留のふくらはぎをなぞりながら波留に尋ねてくる
「…そう。小さい傷とか浅い傷とかはもうすっかりないんだけど…これと、脇腹の傷だけは消えなくて。」
服の上から傷跡をなぞり、俯いて涙を流すと清は波留の手を掴み自分の方へと引き寄せた
「っえ⁉︎ちょっとキヨっ⁉︎」
バランスを崩した波留は、ソファーから落ち彼の上に重くのしかかる
そんな清の上から退こうとしたが、彼にがっちり抱きしめられ逃げる事が出来ない
「…でも、お兄さんの事を嫌いになっちゃダメだよ?」
「……え。」
彼の顔を見ると、清は猇の方を向いて微笑んでいた
「…大事な家族なんだから。」
波留の頭を優しく撫でながら言う彼に少しだけ救われた気がする
「よしっ、今日は3人で寝るっ‼︎決めた‼︎総長命令‼︎…んでもって1番広いベッドを持ってるのはー…」
清は波留が落ち着いたのを察すると、波留ごと一緒に起き上がりにっこりと笑いながら猇に言う
「…幾ら何でもせめぇだろが」
猇がため息を吐き、頭を掻き乱しながらも釣られる様に笑った
「……でも、悪くないんでしょ?」
「まあな」
2人の意見が合致したのはいいが、肝心の波留はどうなるんだろうか
「ちょっとキヨ、猇っ‼︎…俺の意見は?」
「…異論が?」
悪戯っぽく笑いながら、波留とでこを合わせて言う清に思わず心臓が跳ねて逆らえなくなる
「………ないです。」
(……あー、もー、バカ。)
波留は結局この後2人に挟まれながら寝る事になったのだった…
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