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清と柊 2<清視点>
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波留が完全に部屋から出て行くと、俺は横で小さく縮こまってる少年を見た
「…なんでお前は部屋に残ってんだよ。」
そっぽを向き、まるで猫のようにツンとした態度
「お前じゃなくて清。…なんでって、俺がここに残りたかったから?」
「やってる事は何にも清くなんかねーじゃん。」
「ははっ‼︎…よく言われる。」
けらりと笑ってみせると、少年は少しだけこちらを見てきた
「…清がここに残る必要が何処あるんだよ。」
(…あ、いきなり呼び捨てなんだね、)
少しそこがつっかえったが、気にせずに答える
「波留の事…話してみようと思ってね。えーっと、たしか柊だったよね」
柊に確認を取ると、彼はこくりと首を縦に振り、不思議そうに眉を寄せた
「は?…俺、あんたより波留兄ぃの事知ってると思うよ。」
「そうだね。波留の事は君の方がよく知ってるかもしれない…でも、そしたら俺が波留と一緒にいるのはなんでなのかなんて知らないでしょ?」
「……まぁ。そうだけど」
図星に彼の顔が俺からまた逸れる
「…波留に会ったのは夏前だったかな。俺ね波留の事を仲間と一緒にレイプしたんだ。」
すると、柊の顔は怒ったように鋭い攻撃的な瞳に変わった
「最初は面白かったし、見慣れた光景だったんだよ…でもさ、時間がたては経つほど自分にムカついて…こんな事をなんでしてるんだろうって」
「今更かよ」
鼻で笑われ、相変わらず攻撃的に見つめる彼に「そうだね。」と返す
「警戒してる時の波留ってさ、…なんか捨てられた子猫みたいっていうか…放っておけなかったんだよ。で、訳を聞いてみたの」
(助けてほしいのに、誰にも頼れない…)
「で?」
俺がそこで切ってしまったから気になったのだろう、柊は俺に一歩近づいて聞いてきた
「…1人でずっと闘ってたんだ。でも、もがいても逆らっても逃げられない。」
「なんだそれ。」
俺の訳の解らない言葉に柊は首を傾げる
「…君はさ、波留のお兄さんの事をどう教えてもらった?」
「……どうって、雅咲兄ぃから酷い暴力をめちゃくちゃ受けて、死にそうになってた所を助けてもらった…って聞いた。でも、俺は違うと思う。」
どうやら彼の勘は鋭いみたいだ…
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