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1日後 2
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叔父の家を出ると波留達は車に乗った
いつものように決まった定位置に座る
助手席と運転席に座った二人は叔父一家に礼を言うと、車を走らせた
ドンドンと小さくなる彼等の姿に寂しいような気持ちも出てくる
でも、また会いに来ればいいのだ
(俺の大事な家族なんだもん)
懐かしい風景を窓から眺めながら故郷に別れを惜しんだ
高速に乗ってしまうと波留は昨日、清が言っていた言葉を思い出す
(…まさかキヨが大学に行ってたとはね~…)
彼によると、推薦をもらった都心の大学で心理学を中心に勉強をしていたらしい
もともと容量が良かったからかなのか、4年制の大学だったが半年の2年で辞めたと言っていた
(だから、表情から何考えてるのかが解ったのか…)
前に座っている彼をぼんやりと眺めると、改めて意外だなと感じた
だが、それを語っている時の猇の表情がどうも浮かなかったのを波留は覚えている
(……猇がキヨにあんな顔するなんて珍しい事だよね)
羨ましかったのだろうか…?
考えても解らなかった波留は、ただ黙って二人の後姿を眺めた
「ねぇ、波留」
不意に清が後ろを振り返り俺を見る
「……ぇ!?あ、なに?」
「本当に行って平気なの?心の準備とか…」
彼は波留の心配をしているのだろう。
だが、ここで行かないときっと機会を逃してしまう…
「ん。俺は大丈夫。……雨が降らないといいけど」
そう…
これから向かうのは結弦の墓なのだ……
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