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最悪の事態 4
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そんな紫乃の姿が波留は見てられなかった
(…大丈夫、自分が我慢すれば紫乃さん達は助かる)
清達にも申し訳なかったし、自分の無力さにもムカついた
だけど意を決し、口を開いて和嶋組に伝える
「……貴方達の言う通りにしますから。紫乃さん達から手を離して下さい」
すると和嶋の男は口の端が裂けそうな程、口角を上げ奇妙に笑った
「話がわかっとるなー。…本人がそう言ってるさかい、うちと一緒に来てもらいましょか」
紫乃の首元からナイフを下ろし解放すると、代わりに波留の襟元を掴んだ
「ダ、ダメよ波留くん‼︎」
息が詰まっていたからか咳き込む紫乃が波留を止めようと説得する
「……大丈夫です。」
そんな紫乃に首を振り小さく出来る限り精一杯笑う
「紫乃さん、キヨと猇に伝えてもらえますか。」
不安と心配で泣きそうになる声をなんとか堪え、紫乃に伝言を頼む
「……すぐ、帰るから。って…」
波留はその場に荷物を置き、手ぶらになると和嶋達に囲まれながら連行されたのだった
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