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口論
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「な〜あ〜…た〜く〜み〜っ」
聖書を読んでいる俺に、必死に邪魔してくる構って君、大神阿修羅。
「………」
「えっ、無視!?」
「何だよ…」
溜息を吐きながら聖書を閉じた。
「えええっ!2回も言ったんだけどっ!?また聞いてなかったの!?」
「ああ。そうだったのか。悪いな。」
「お前…悪りぃと思ってないだろ!」
怒りながら俺の頭をわしゃわしゃしてくる相手は俺の中では数少ない友達。
まあ…身体の関係もないわけではない。
正直言って、どちらも同性愛者である。
けれど、どちらにも想い人がいるわけで…決して恋人にまでは発展しない。
と、言っても、阿修羅の好きな奴はわからない。教えてもらえなかった。…知る気は全く無い。
「それで。」
「え…」
いきなりの俺の発言に驚いたのか目を丸くして手を止める阿修羅。
「それで、何の用だ。」
無愛想に言ったからなのか、少しムスっとした様子の阿修羅。
「…今日の夜も無理なのか…?」
「…その事か」
「だって、お前…最近付き合い悪りぃし…それに…挿れさせてくんねぇじゃんっ!」
「馬鹿っ!声がでかいっ」
ふ…と辺りを見回すと華哉がこちらを見てニヤニヤしながら言った。
「ふーん…君達そんな関係だったんだぁ。」
華哉は帝城の前では紳士な騎士だが、俺たちの前では鬼畜伊達眼鏡優等生気取りのただの無気力ドS野郎。
「…え…あ、ぃやっ、違う!俺達そんな関係じゃな「お前から煽ってくるくせに何だよ!」
「はぁっ!?煽ってないだろ!?」
「俺が行く度に風呂上がりかシャワー後じゃねぇかっ!まさか、シた後だったのか!?」
「や、ちが…!暑かったり汗臭かったりするから…っ」
「何の騒ぎ?」
「ひぁっ…!」
いきなり耳元で聞き慣れた心地良い声がして甲高い声が出た。
「何、今の声…拓の声?////」
「何かエロくなかった?」
「だよな…」
俺達の会話に耳を傾けていた周囲の奴等に変なスイッチ入っちまった…。
「な、何でもねぇよっ!?…な、なっ!阿修羅!」
俺は、背後の声の主…幼馴染の新大に一生懸命言い訳をする(言い訳する意味は俺にもわからない)。
グイッ…
「え…」
阿修羅が、そっと俺の腰に手を回し、頬に指を滑らす。
「お前、基本クールだけどさ…慌てるとホンット可愛いよなぁ…」
という意味不明な言葉と共に頬にキスをしてきた。
「ちょ…え…?や、意味がわからな」
「田宮…良い加減にしねぇとこいつ奪う。」
良くわからないが、阿修羅と新大は喧嘩中の様だ。
「こんなトコで喧嘩なんかすんなよ…」
俺が間にいるため自動的に止めに入るが阿修羅は無視。周りの奴らは気にも留めていない。
「お前はあしゅらたんのこと好きよね〜?」
「え…?うん…好きだけど?」
「ほらほらぁ〜。あしゅらたんの勝ち〜。」
キスをしようと唇を寄せて来る阿修羅の顔を両手で挟む。
「その喋り方ウザい。」
本当ベタベタしてきてウザい奴だ。
阿修羅は何やら自信ありげに新大の方へ視線を向ける。
ガラガラッ
「え、新大もう帰んの?」
生徒の1人が新大に話し掛けたが、新大は無視し、出て行ってしまった。
「え、やっ、ちょ…まっ待って!」
阿修羅の腕を腰から振りほどき、走って追い駆ける。元陸上部の俺をナメるなっ!
と、思って走ってたんだが…なんか…ぜんっぜん追い着かない…。逆に距離が開いてきてる。
そういえば…俺…リレー1本だったからあんま体力ねーんだ…。
長距離で上位入賞してた新大に敵うわけねぇじゃん…
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