アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1次試験×前半×ゴンたち
-
「ここか…」
一つの小さな定食前で止まる。
どんなところでやるかと思ったら…
…まぁ、とりあえず入ればわかるだろう。
ドアを開け、中にはいると、女の店員さんが話しかけて来た。
「いらっしゃいませ!ご注文は?」
「…ステーキ定食…」
「焼き方は?」
机を拭いていた強面の男の人が聞く。
「弱火で、じっくり…」
そう言うと、男の人が何やら目配せし、女の店員さんに店の奥へと誘導された。
じゅうじゅうと音を立てる肉の前に座り、一口食べる。
長い間森の木の実や魚ばかりだったので、随分と美味しく感じる。
黙ってもぐもぐと咀嚼していると、チーンと何とも間抜けな音がした。
口の中のものを飲み込み、部屋の中へ。
すでにヒソカを含め50人ほどが集まっていた。
「どうぞ」
まさしくマメのような小さな人にプレートを渡され、手を伸ばした…が、異変に気づく。
「…何だ、0番って…」
「会長から、貴方様は0番にして欲しいと言われておりますので」
…?会長…?
面識もなかったと思うけどな…
そう思いながら、仕方なくそのプレートを受け取り、自分のマントにつけた。
「やぁ♥来たね、ラファ♠」
「あぁ…まぁね」
「0番?♦」
「ん…会長命令だって」
ヒソカのとなりに腰を下ろす。
「そう…♣」
「俺、少し寝るから…」
そう宣言し、フードを引っ張った。
連日仕事の疲れは溜まっていたらしく、すぐに眠ってしまった。
「ぎゃあぁぁぁあぁあぁ!!」
「…?」
断末魔の叫びで目を覚ます。
1人の男がヒソカの前に膝まづいていた。
腕は、スッパリ…無い。
「あ、ごめんね…起こしちゃったかなぁ♠」
ヒソカはそんな男に目もくれず、俺の方を向いた。
「いや、大丈夫」
そう言って立ち上がり、周りからヒソカが避けられているのに気付く。
今目立つのはあまり得策では無い…と、俺はヒソカから離れた。
「おっ、あんた見かけない顔だな、新入りだろ!俺はトンパ、分からないことがあったらなんでも聞いてくれ!何せ俺は35回も受けてるからなぁ」
馴れ馴れしく話しかけられ、眉間にシワを寄せる。
しかし、ここでいきなりゴタゴタはしたくないと、仕方なく小さく会釈を返した。
「俺、ゴン!お兄さん、名前は?」
「…」
ツンツン頭の元気そうな男の子に話しかけられた。
馴れ馴れしくても、トンパとは違い、嫌な気はしない。
「…ラファエル。ラファで、いい…」
「ラファさんだね!こっちは、リオレオと、クラピカ!」
「レオリオだっちゅーに!…あぁー、まぁ、よろしくな」
「クラピカだ。よろしく」
スーツを着た親父のような人と、女と見間違うような綺麗な青年。
こく、と頷くだけにしておく。
それからすぐ、ジリリリリッとブザー音が響いた。
「ただいまをもって受付時間を終了と致します」
そう言って現れたのは、スーツ姿の紳士。
いよいよ本試験…
「ではこれよりハンター試験を開始いたします。こちらへどうぞ。
さて、一応確認いたしますが。
ハンター試験は大変厳しいものもあり運が悪かったり、実力が乏しかったりするとケガしたり、死んだりします」
おっかねぇー…などとルーキーと思われる人たちから声が聞こえる。
俺は特に動揺してはいなかった。
「先程のように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます。
それでも構わない―――という方のみついて来て下さい」
そう言うサトツさんに、みんなぞろぞろとついて行き出した。
「承知しました。第一次試験405名全員参加ですね」
そしてそれに被せて言った。
「申し遅れましたが私、一次試験担当官のサトツと申します。
これより皆様を二次試験会場へ案内いたします。二次試験会場まで私について来ること。これが一次試験でございます。場所や到着時刻はお答できません。ただ私について来ていただきます。」
シャーッという音に、ゴンたちと共に後ろを向くと、白い猫っ毛の少年がスケボーに乗っていた。
…いいなぁ、スケボー…
「君、誰?年いくつ?」
ゴンが無邪気に聞いている。
少年は、ゴンの年を聞くと、一緒に走り始めた。
…同じ年だったのかな…
「ねぇ、おっさん、年いくつ?」
その少年が悪びれもせず言うと、レオリオは怒った様子で
「これでもお前らと同じ、10代なんだぞっ!?」
と言った。
…え、嘘…
「えぇーっ!?嘘!」
「あぁーっゴンまで…ひっでえなぁ…もう絶交な!」
拗ねるレオリオに、周りからにわかに視線が集まる。
…やだなぁ、目立つ…
俺はさりげなくペースをあげ、ゴン達から離れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 23