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1次試験×後半×おやすみなさい
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「ヒソカ…」
いつの間にかかなり前へ来てしまい、すぐ隣にヒソカがいた。
「ラファ♥」
「…つまらないね、この試験」
「まだ1次だから…♠」
「…そう」
ただただ景色も変わらないところを走るだけ。
これならば寝ていた方がマシかもしれない…
「…ヒソカ」
「何だい?⭐」
「少し寝たいんだけど…」
「んー…仕方ないなぁ♦」
はい、とヒソカが出した腕に乗る。
自らお姫様抱っこのようにヒソカの腕に横たわり、フードを引っ張って下げた。
マントにしっかり身を包み、ヒソカの胸に顔を向ける。
「…この室内ぐるぐる回ってるのから抜けたら起こして」
「了解⭐」
ヒソカの返事を聞いてから、俺はそっと目を閉じた。
一定速度で来ていた振動が止んだことを不審に思い、目を開くと湿原が広がっていた。
ヒソカの袖を引き、下ろしてもらう。
「…ありがとう」
「どういたしまして♥」
「気をつけてください、騙されると…死にますよ」
そんなことを言っているうちに説明がすんでいたようだ。
まぁ、ついて行けばいいだけだから問題はないだろうが。
「おかしな事言うぜ、騙されると分かってて騙されるわけねえだろう?」
すぐ隣から、レオリオが文句を言う。
…何故裸ネクタイなんだ。
脱ぎグセがあるのかと白い目を向けると、反対側から声がした。
「嘘だ、そいつは嘘をついている!」
影から出て来たのはボロボロの男。
スーツ姿の紳士とは正反対である。
「そいつは嘘をついている、そいつは偽物だ!」
ボロボロの男が言うなり、皆がざわざわし始める。
「偽物だと…?」
「どっちが本物の試験官なんだ…」
それを聞きながらヒソカがにいっと笑う。
「コイツを見ろ…!」
そうボロボロの男が長い舌を出して白目を向く人面猿を地面に放り出した。
「おい、あの顔…試験官にそっくりじゃねえか…!?」
男の出現により、皆が一気にサトツさんへと詰め寄り始める。
サトツさんが試験官でないと判断したらしい。
「…ヒソカ」
「うん♦分かってる♦」
楽しそうに笑うと、ヒソカはトランプを取り出した。
「もう、グズグズうるさいなぁ⭐」
ざわざわと話し合う受験者たちを横目に、ヒソカが3枚ずつ、計6枚のカードを放る。
そのうち3枚は確実に俺の顔を狙っていて、其れを頭だけを動かして避けると、横に居たボロボロの男が叫び声をあげて倒れた。
「なるほどなるほど⭐これで決定♠僕たちの目指すハンターともあろう人が、この程度の攻撃防げないはずがないもの♦ね?試験官さん♥」
「…褒め言葉として受け取っておきましょう」
サトツさんは掴んだカードを放って返した。
「しかし次はいかなる理由があろうとも試験官への暴行は許しませんよ」
「はいはい♠」
おいで、と言わんばかりに袖を引かれ、ついていくと顔、もとい身体中に針の刺さった針男のところへ連れていかれた。
「ギタラクル、まぁ、僕はギタちゃんって呼んでるんだけどねぇ⭐僕の友達なんだぁ♦」
「…カタカタカタカタ」
「どうも…ラファエルです」
素直に頭を下げると、ギタラクルは、針だらけの顔で微笑んできた。
「…素顔はかなり綺麗な人見たいだね」
「…!」
そう言うと、ギタラクルは驚いたように一瞬動きが止まり…何事もなかったようにカタカタと音を立てた。
「…じゃぁ、そろそろ行った方が良さそうだから僕行くよ」
ギタラクルがいるので、一人称は僕、にしておく。
「僕は遊んでくよ⭐退屈だし♦」
そういうヒソカをちらりと見て、すぐに走り出した。
走っていると、いつの間にか前の方へ来てしまった。
隣をみると、ゴンと白くてふわふわした男の子。
「クラピカーッレオリオー!キルアが前来た方がいいってさー!」
どうやらその少年はキルアと言うらしい。
「行けたらとっくにいっとるわい!」
そう叫ぶ親父…じゃなかった、レオリオの方を向くと、レオリオのすぐそばにヒソカの殺気を感じた。
…レオリオは巻き込まれるな、確実に。
まぁ、殺しまではしないだろ…そんなに弱そうじゃないし、と、とりあえず子供達について行く事にする。
「あ、ラファ!」
ゴンは俺に気づくと満面の笑みで寄って来た。
なかなか可愛い。
「ゴン、誰だよ其れ」
さっき会ったのに…俺はアウトオブ眼中だったのか…。
「ラファ!さっき友達になったんだ!ラファ、こっちはキルア」
キルア…そうか…
その目の暗さを見て、しっくりくる。
この子、確かゾルディックの跡取り…
ちらりと目を向け、また前へと向き直る。
「ゴン、こんな奴友達にならなくていいよー、だって顔すら見えてないぜ?」
胡散臭いとキルアが顔をしかめる。
「キルア、そういう言い方良くないよ!…でも、僕もラファの顔見たいなぁ」
ゴンがキラキラした目で俺をみつめる。
「…」
別に見られてマズイものでもない。
特に何も考えず、ゴンに答えるべくフードを外した。
途端、長い三つ編みが外へ零れでる。
「…ん」
ゴンとキルアに向き直ると、キルアが何故か赤面して居た。
「わー…ラファ、綺麗だね…」
ゴンまで頬を染めて言った。
走っているため前髪が上下し、目がゴンに晒される。
「わー…」
と、ゴンがさらに俺に近づこうとした、その時。
後ろからレオリオの悲鳴が聞こえた。
ゴンが慌ててレオリオに駆け寄って行く。
俺はとりあえずそのまま2次試験会場へ行く事にした。
「なぁ、あんたさ」
キルアに話しかけられる。
とりあえずフードをかぶり直してからそっちを向いた。
「強いの?」
そういうキルアの目には獰猛な光が宿っている。
…別に戦いが好きなわけじゃないし…
「…別に」
それだけ言って前を向くと、キルアはふぅんとだけ返事をした。
サトツさんについてきたら、目の前は扉。
どうやら12時まではあかないらしい。
…暇だなぁ…
木陰に寄って小さな花を見つめていると、後ろから…ヒソカの気配。
「…レオリオ?」
「そう⭐この子は合格♦」
どさりと木陰に降ろされるレオリオ。
程なくして、ゴンやクラピカが駆け寄ってきたのを見て、俺はヒソカと共にそこから離れた。
「…何人殺してきた?」
「さあ⭐覚えてない♠」
「…」
「でも、僕としては雑魚をいっぱい倒すより、強いやつと戦いたいんだけどなぁ♥」
「だったら探せばいいだろう、その強い奴を」
「うーん…♦でも、君以上の奴がいるかなぁ…⭐」
「…俺は無駄な戦いはしない」
「分かってるよ♣」
と、その時。
ゴーン…ゴーン…と時計がなり、扉が開いた。
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