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船×移動×ちゅう
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キルアとゴンが元気に甲板へ釣りに出かけたのと同じ頃、俺はヒソカに連れられて、明るい日の当たる小さめの部屋に来ていた。
そこへつくとヒソカは俺を座るようにと促し、俺は特に身構えず座った。
…一瞬だった。
目の前が反転し、ヒソカに押し倒される。
「ラファ…♥」
ヒソカの息遣いが俺の耳を刺激する。
ちゅっと音を立てて耳にキスされた。
…本当、昔から変わらない。
「…ヒソカ…」
少し抵抗するように身をよじると、ヒソカは一層強く俺を抱きしめた。
…別に逃げはしないのに…
それに、この誰に襲われるかわからない飛行船の中では、ヒソカといた方がいいのは既に分かっていること…。
「ラファ…ラファ…♥僕…君が好きなんだ…♦」
ちゅっちゅっと音を立てて顔や首にキスを落とされる。
「ちょっと…くすぐった…」
「ラファ…⭐」
恍惚とした表情で俺のマフラーを外しフードを取ると、ヒソカは俺の両手を握って床へ押し付け、深く口付けて来た。
「…っん…」
明らかに恋人のそれ、それでもヒソカと住んでいる時は日常茶飯事だったから既にヒソカからのキスには慣れている。
ちゅっくちゅっとエロい水音をさせながらヒソカとキスしていると、ガタタッと大きな音がした。
…?何…?
ヒソカと口を離してそちらを向くと、キルアとゴンがドアの前で某然と立っていた。
慌てて近くにいたクラピカとレオリオがゴンとキルアの目を手で覆う。
「見ちゃダメだ、ゴン!」
「お前たちにはまだ早い!」
「何でだよ!子供扱いすんなよな!」
キルアはレオリオの手から逃れるとキラキラした好奇心丸出しの瞳で俺を見た。
「ねぇ、どうしてキルアは良くて俺はダメなの!?キルアだけずるいよぉ!」
ゴンもジタバタと暴れるけれど、クラピカが必死で抑えている。
「…ヒソカ、とりあえず離して」
「うぅん…⭐しょうがないなぁ、邪魔入っちゃったし…♦」
ヒソカを上からどかして起き上がり、フードをかぶり直してマフラーを巻いた。
ヒソカがあぐらをかいた中に腰をおろして、ゴンたちを見つめる。
ようやくクラピカから解放されたゴンも、俺をキラキラした目で見つめた。
「…で!?」
「でって…言われても」
「ヒソカとどういう関係なんだよ!」
キルア…悪い顔してるよ。
「私も…興味があるな」
クラピカ…頬染められても…
「俺様も知りたいぜ」
…
「教えてよー!ラファー!」
ゴン…そんな純粋な目で…
「…どういう関係って…そんな期待されるような関係じゃないよ」
「じゃあどういう関係なんだよ!」
キルアが身を乗り出す。
うぅ…グイグイくるなぁ…
ぎゅうとヒソカに抱きしめられたまま、仕方なく観念して口を開いた。
「うーん…敷いていうなら、師弟関係と親子関係かな…」
「し、師匠!?」
「親子!?どーゆーことなのヒソカ!?」
「私も詳しく聞きたい!」
そんな食いつかれても…
「僕がラファを拾って育てたの⭐」
『そ、育てたぁ!?』
そんな揃わなくても…
「お前がそんなこと…出来るのかヒソカ!」
「心外だなぁ♥」
「…その時戦い方も教えてもらってたから師弟関係」
本当は念を教えてもらっただけで格闘センスは元々のものだから語弊があるけれど…
「なぁ!もっと!もっと詳しく教えてくれよ!」
キルアがグイグイくる。
ゴンもこくこく頷きながら乗り出して顔を覗き込んで来た。
…仕方ない、当たり障りのないところだけ…と口を開きかけた時、ヒソカの大きな手で突然口を覆われた。
「…!?」
むぐむぐと後ろを向く。
「それ以上の追求は禁止♥また時が来たら…ね⭐」
にっこり笑って言うと、俺から手を離してくれた。
「ちぇっなんだよつまんねー」
「でも、また教えてくれるんでしょ!?」
俺に近づき、手を伸ばして来るゴン。
…プレート…
…っ
慌ててゴンから逃げようと身をよじる。
けれど、ヒソカに抱き留められた。
「ゴンは大丈夫♦」
「…本当?」
「本当♥」
「…どうしてわかるの?」
「んー…そんな下衆な子、僕が青い果実ちゃんに選ぶと思う?⭐」
「…思わない、けど…」
「なら大丈夫♦」
ね?と自信満々なヒソカに目を向け、はぁっとため息をつく。
不思議そうに俺を見ているゴンたち、その目の前の床に俺はプレートを外して置いた。
ゴンたちは、ここに来てヒソカやギタラクル以外にちゃんと話した唯一の人たち。
この人たちにもしプレートを奪われそうになり傷つけられたら、もし傷つけてしまったら、立ち直れないような気がした。
それならば今のうちに自分の意思であげてしまおう。
自分の合格はまた自分で取ればいい。
そう思って、誰でも取れるように、目の前に置いた。
「わぁ!ラファが0番だったんだ!」
「すっげー!今まで気づかなかった!」
ゴンとキルアがプレートを手にとった。
クラピカとレオリオもそれを興味深げに眺めている。
ゴンたちがそれを手にした時、諦めた。
プレートはもうこの子達にあげようと。
…それ、なのに…
「はい!わざわざ見せてくれてありがとう!」
ゴンに満面の笑みでプレートを返された。
「…え…」
「其れにしても、0番は皆から狙われているのだろう。大変では無いか?」
クラピカは、心配そうに俺を覗き込んだ。
「…いらないの?コレ」
「?だって、それラファのでしょ?」
「…コレがあれば即合格なのに」
すると、ゴンは笑った。
「いらないよ!俺、父さんに会うためにハンターになりたいんだ!そんななり方したら父さんに怒られちゃうもん」
「俺も…ハンターになりたいわけじゃないし」
「私も、特定の誰かを必要もないのに蹴落としてなろうとは思って居ない」
「俺も…まぁ、何だ…人を悲しませるのは嫌だしな」
「…そっか」
プレートを付け直した。
…ヒソカ、人を見る目はあるんだな…
「ね?⭐」
「…ん…」
…嬉しい…
ゴンたちなら…信じたい…
じわじわ目頭が熱くなって、慌ててヒソカの方を向いた。
「ラファ?」
「何だよ、どうしたんだよ」
ぎゅうとヒソカに抱きつくと、ヒソカはフフッと笑いを零した。
「大丈夫、怒ってるんじゃないよ♥泣いてるの⭐」
「泣いてる…?私たちは何かしてしまったのか?」
「俺には泣く理由がわかんねぇ」
「違う違う♦悲しいんじゃなくて、嬉しいんだよ⭐ゴンたちが優しいから♥」
ぽんぽんと背を叩かれる。
ぐりぐりと頭をヒソカに押し付けて、落ち着くのを待っている…と、廊下から…気配。
「…ヒソカ、来たみたい」
「そうだねぇ⭐ねぇ、ゴン?」
「なあに?」
「もう戻った方がいいんじゃない?♠」
「どうして?」
ヒソカが俺をおろして立ち、トランプを取り出した。
「ここは戦場になる…⭐」
サクッとトランプが一枚ドア際の壁に刺さる。
「出て来なよぉ…♥」
わらわらと…今度は5人。
26人中…5人。
少なくない…。
「ゴンたちは…避難してた方がいい…」
守るようにその前に立った。
人を傷つけて遊ぶ快楽主義者のヒソカと違い、人をなるべく傷つけたくない俺。
…其れでも、ゴンたちが怪我するのは嫌だ。
「…何者だ、お前たちは」
クラピカの問いに、簡単に1人の男が答えた。
「受験生に決まってるだろう?その小さいねぇちゃんが持ってるプレートをもらいに来たんだよ」
「ラファは男だよ!」
ゴンが怒って言った。
けれど、今怒るのはそこじゃないかな…
「…ラファに手を出そうって言うの…へぇ…?♠」
ヒソカが殺気を出しながら一歩男たちに近づくと、男たちは冷や汗を流しながらヒソカを見た。
「…いい、ヒソカ。俺がやろう」
「…でも、ラファ…♦戦うとラファも辛いだろう…?⭐」
「何時迄も頼ってたらヒソカに悪い…。其れに、ヒソカに任せてゴンたちが怪我したら…俺は自分が許せない」
ヒソカより一歩前へ出ると、ヒソカは観念したように頷き、ゴンたちと共に部屋の隅へよった。
「その代わり、0個ね♠」
「…分かってる」
頷き、そのまま男たちを向き殺気を放つ。
ネックレスは外してないから一般人並みのはずだ。
けれど、その「一般人並みの殺気」はゴンやキルアが顔を青くして震えるほどだった。
構えるでもなくただ歩き…途中から暗歩に変え、影から影へ素早く飛び移る。
俺がいなくなったことを不振に思いキョロキョロするそいつらを素早く手刀で眠らせた。
その間、僅か0.5秒。
あっという間に倒れ伏した男たちを見やり、ヒソカを向いた。
「…終わったよ」
ゴンたちはあんぐりと口を開けている。
ヒソカたちの方へ歩き出した途端、足をくんっと引っ張られる。
下を向くとまだ1人意識があるようだった。
「…離して」
「やだね…っ」
勢い良く立ち上がり、男は俺のプレートに触れた。
倒れていたのはフリだったらしい。
…アレを受けて立てるのか。
その腕を掴み、ゴキュッと不穏な音をさせながら関節を外した。
「うがっぁっああっ」
其れでも執念深くプレートに手を伸ばして来るので、ヒソカに食らわしたのよりかなり威力を落とした回し蹴りで壁と仲良しになってもらう。
マントを整え、今度こそヒソカの元へ。
「…終わった」
「お疲れ様♥」
「な、なぁラファ!」
キルアが焦ったように声をあげた。
「?何…?」
「さっきの…!暗歩だろ!?暗殺技術をなんでお前が…!」
「…秘密」
そのうち教えるよ、と心の中だけで答える。
『間も無く4次試験会場、ゼビル島へ到着致します』
アナウンスに、一気に空気が張り詰める。
「…ラファ、何番だった?」
「大丈夫だよ…ゴンじゃない」
其れだけ言うと、俺はヒソカと共に部屋を出た。
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