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最終試験×前半×トーナメント
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「ホッホッホ、全員揃ったようじゃの。それじゃあこれから最終試験…トーナメントの組み合わせを発表する」
「トットーナメントぉ!?」
ハンゾーとレオリオがマヌケな声をあげる。
「筆記試験じゃねぇのかよ!?」
「筆記?誰じゃ、そんなデマを流したのは」
ハンゾーとレオリオが怒った顔でボドロを睨みつけたが、ボドロはそっぽを向いて鼻歌を歌った。
…まぁ、踊らされる方も踊らされる方か…
「ねぇ⭐どうしてラファだけ番号が無いの?♦」
「0番には、全員と戦ってもらうからじゃよ」
「ぜっ全員?」
いくらなんでも其れは不公平でかわいそうだ、とレオリオが抗議してくれている。
優しいなぁ、自分の合格チャンスが上がるのに俺のために…
「0番は、9人と戦いそのうち5人以上に勝利したら合格じゃ。他の者は、誰か一人に勝てば合格じゃよ」
5人以上、ね…
「相手に参ったと言わせれば勝ち、手段は問わぬが殺したら即失格、残りの者が自動的に合格するシステムになっておる」
「えー、殺しちゃダメなの?⭐」
「ダメに決まってるだろ、ヒソカ」
不満そうに眉を下げ、仕方ないか…と呟くヒソカを尻目に、新たな紙を取り出したネテロを見つめた。
「これが、0番と戦う者の順番じゃ。0番は休憩はなし、ノンストップで全員と戦ってもらう」
「俺が最初かよぉ…!」
レオリオが驚いた声をあげ、俺を見た。
“1 レオリオ 2 ボドロ 3 クラピカ 4 ハンゾー 5 ゴン 6 キルア 7 ヒソカ 8 ポックル 9 ギタラクル”
「チェッ、俺6番目かよー、もっと早く殺りたかったのに」
「僕も、6人も待たなきゃいけないの?♠」
「文句は受け付けんぞ。それじゃぁ、早速始めようかのう」
ネテロの言葉で審判(見た目はSPのようだ)が入ってきた。
「第1試合、403番レオリオ、0番ラファエル、前へ」
審判が言い、レオリオがカバンを持って出てきた。
「ヒソカ、トランプ貸して」
「んもぅ…♦仕方ないなぁ⭐」
トランプを1組借り、そのままフィールド内へ。
レオリオは、複雑な顔をして居た。
「始め‼」
審判の声がかかるが、レオリオは動こうとしない。
「…レオリオ…降参してくれない…?」
レオリオはごくりとツバを飲んで、言った。
「お前が強いのは分かる…でも、俺もここで引き下がるわけにはいかないっつーか…」
手に持って居たトランプを一枚、投げた。
其れはレオリオの手の甲に切り傷を作り、カバンをその手から落とした。
「…降参、して…」
「はぁ…わかったよ、降参だ。ラファ、お前にはかなわねぇよ」
「勝者、0番ラファエル」
旗が挙げられ、レオリオが出る。
「引き続き、第2試合、0番ラファエル対191番ボドロ。両者、フィールド内へ」
むんっと腕を組んだままのボドロが出てくる。
「始め!」
「降参だ、子供と戦うのは好かん」
審判の声とほぼ重なってボドロがそう言ったので、あっという間に第2試合はカタがついてしまった。
「第3試合、0番ラファエル、404番クラピカ。前へ」
クラピカは手に二本の剣を持っていた。
きっと、殺る気なのだろう。
「始め!」
「…ラファ、すまない。だが、私はこうなった以上お前と戦う」
「分かってる」
銀色に輝く刃を振るい、クラピカが攻撃してくる。
俺は一切反撃はせず、其れを避け続けた。
鋭い突きは左右によけ、なぎ払いは高くジャンプして防いだ。
クラピカの息が荒らぎ、少し動きが鈍くなったところでマントを脱ぎ、その二本の剣に巻きつけた。
マントを引き床に落とし、クラピカの手首を纏めて掴んだ。
長い三つ編みが、大きく揺れて、止まる。
久々にマントを脱いだ。
この方が動きやすくていいなぁ…。
「…降参だ。私の負けだよ」
クラピカは穏やかな顔で言い、俺もすぐに手を離して剣を返した。
「ありがとう」
「勝者、0番ラファエル!」
クラピカがレオリオたちのところへ戻って行くのと同時に、俺もヒソカの所へ。
「どうしたの?♦」
「これ、持ってて」
マントを渡すと、ヒソカは良いよ❤と言って喜んでそれを受け取った。
「嗅ぐなよ」
「えー…⭐」
まさしく匂いを嗅ごうとして居たヒソカは少し残念そうな声を出し、マントを大切そうに抱きしめた。
「第4試合、0番ラファエル、294番ハンゾー、前へ!」
「お前、髪長かったんだな」
ハンゾーは出てくるなりそう言った。
「始め!」
「俺は子供だろうと容赦はしねぇ。悪いことは言わねぇ、降参しないか?」
「…しない」
「…後悔するぜ…っ!」
言うが早いか此方へ走り、鋭い蹴りを叩き込んでくるが、其れを跳んで避けた。
するとそのまま片足重心でジャンプし、俺を追って拳を繰り出してくる。
動きは悪くないし、忍びにも申し分ない強さなんだろう。
全て空中でよけてから地に足を着くと、ハンゾーは楽しそうに笑った。
「いつまで避けてられるかなぁ、よけてるだけじゃ勝てないぜ」
「…分かってる」
その直後にとんできた蹴りを右手で難なく受け止め、腹に蹴りをいれた。
かなり力を抜いて蹴ったにもかかわらず、ハンゾーの体は宙を舞い、地面に叩きつけられた。
…やっぱりヒソカみたいにはいかないか…
「へへ…やるじゃねぇか…」
そう言ってハンゾーが取り出したのは、日本刀だった。
「こいつが俺の本領なんだ…」
日本刀を薙いだので跳んでよけると、跳んだ位置に正確にクナイが3本打ち込まれた。
全て素手で払い、次の攻撃に備えてその剣の軌跡を辿る。
速いこと、きっとそれがハンゾーの一番の武器なのだろう。
ヒュッヒュッと音がするほど突きや薙は速く鋭くなっていく。
ひたすらよけるのも何だか馬鹿らしく思え、俺は突然止まった。
驚いた顔をしたハンゾーが、それでもチャンスとばかり突っ込んで来るのでその剣の根元にトランプを投げた。
パキン…ッ
ガシャンッという音と共に剣が地面に刃を落とした。
「え…」
「ハンゾー、参ったして…」
「クソ…まだあるぜ!」
新たな剣とクナイを出してきたので、その腹を壁まで蹴り飛ばし、服を10箇所ほどトランプで壁に縫い付ける。
腕を突き出すこともできなくなり、ハンゾーは眉を下げた。
「参った、して」
「参ったよ、かなわねぇ」
「勝者、0番ラファエル!」
審判の声を聞きながらハンゾーに刺したトランプを回収し、ハンゾーも折れた剣を回収した。
あと何人だっけ…
「第5試合!0番ラファエル、405番ゴン、前へ!」
ゴンが釣竿も持たずに前へ出てきた。
その目に闘争心は…無い。
「始め!」
「参った!」
ゴンは大きく叫ぶと、へへっと笑った。
「ネテロ会長にも言ったけど、俺、友達とは戦えないよ。ラファとも、キルア、クラピカ、レオリオとも」
だから参った、ともう一度言い直す。
「さて、これで0番の合格は決まったわけじゃが…」
そうか、今ので5人か…
「0番には引き続き全員の相手をしてもらう」
ネテロがいうと、審判がネテロの方へ頷き、口を開いた。
「では、第6試合、0番ラファエル、99番キルア、前へ!」
ポケットに手をいれたままのキルアが少し口角をつり上げて前へ出てきた。
「始め!」
「面白そうじゃん、俺あんたと戦って見たかったんだよね。ハンゾーにも勝ったんだしさ、俺にも本気でやってくれる?」
「…ごめんねキルア…俺、本気だしたことないんだ」
一瞬驚いた顔をしたあと、キルアはにぃっと笑った。
「へぇ…面白いじゃん」
キルアside
少し強い、程度のやつには負けない自信があった。
だって俺は元暗殺のプロ。
俺に殺された奴は数えきれないほどだ。
物心ついた頃から叩き込まれた暗殺技術はもう体に染み付いている。
ラファが多少強かろうと、勝つのはきっと俺。
面白いじゃん、というとラファは少し眉を下げた。
「キル…参った、して」
「絶対やだね」
カツ、カツ、と歩き…暗歩に入った。
ラファは俺が何処にいったか分からないとキョロキョロするんだろうと予想して。
人は何処から狙われているか分からない時が一番精神を削られる…。
「…え…」
ふと目をあげると…ラファが、いない?
馬鹿な…俺は今暗歩して…
「…キル」
後ろから声がした気がして振り向くけれど、誰も…見つけられない。
「キル…参ったして」
「嫌だね!」
そう答えると同時に、ガッと後ろから押さえつけられた。
振り向こうとすると、首に鋭い痛み。
目だけ動かすと、変形させてナイフより切れるようになったラファの手が目に入った。
「ラファ…どうして…それは暗殺技術だろ…?お前、一体…?」
「参った、して。じゃないとこのまま掻き切る…」
ぶわっと、今まで感じた誰よりも強い殺気を感じる。
…強い…
頭の奥で、俺の意思とは違う声が聞こえる。
参ったしろ、参ったしろと。
「…参った…」
ダラダラと冷や汗を流しながらそういうと、殺気はピタリとやみ、すぐに解放された。
「ラファ、お前、何者だ?」
「…そのうち…」
ラファは悲しそうに目を伏せて、それだけしか答えてはくれなかった。
「勝者、0番ラファエル!」
少し困惑顔のまま下がるキルアに、心の中でごめんねと呟いて、そのままフィールド内へ残った。
キルアより暗歩が上手くなってしまっただけ…其れだけで、それでも俺は立派なプロの……になれるんだろう。
「続いて第7試合、0番ラファエル、44番ヒソカ、前へ!」
ヒソカは俺のマントをギタラクルに預け、ニコニコ笑いながら出てきた。
「やっと僕の番だねぇ…❤随分待ったよぉ…?♠」
「あぁ…ごめん」
「ラファ、2つ⭐」
「…このままじゃだめ?」
「2つ♣」
…はぁ…
「分かったよ…」
ぷちり、とクリスタルとムーンストーンをちぎり取った。
3次試験以来の開放感に、思い切り殺気を放出させると、ネテロ以外全員膝をつき、地面に平伏してしまった。
…しまった…
慌てて殺気もオーラも押さえつけて、しまう。
「ごめ、今、バリアを…」
「受験生の諸君にはこれからもたくさんの試練があるじゃろう。その練習のためにも、そんなものは張らなくて良いぞ」
ネテロに言われて、渋々頷く。
「ごめんね、ヒソカ…平気⁇」
「平気…♠」
よいしょ、とヒソカは立ち上がって笑った。
「始めようか❤」
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