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番外編×ヒソカ×ポッキーゲーム
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ポッキーの日なのでヒソカとポッキーゲームを…。
番外編です。
甘いです、多分…。
即席なので至らない部分がたくさん有ると思いますが許してくださる方のみどうぞ!
もしかしたらポッキーの日以降に消すかもしれません。
「ねぇ、ラファ…今日が何の日か知ってるかい?♦」
「…は?誰かの誕生日だっけ?」
突然のヒソカの問いに、ご飯を食べる手が止まった。
今日の朝食はソフトフランスパンとミネストローネだ。
「ヒソカは6月6日だろ?」
「!⭐覚えてたの♣」
「当たり前だろ…。で、結局何の日なわけ?」
俺がそう問うと、ヒソカはしばらく唇に長い指を押し当てて考えていたが、やがて
「ヒ・ミ・ツ♥」
と微笑んだ。
「何だよそれ…だったら言うなよ」
「分かったら、僕からご褒美あげる⭐」
「…ご褒美?何企んでるの?」
「それも、ヒーミーツ♥」
ごちそうさま、とヒソカは席を立ち上がった。
「あっ、待てよヒソカ!」
「僕今から仕事なんだぁ…⭐夕方には帰ってくるから、其れまでに考えておいてよ♦」
じゃぁね♣とひらひらっと後ろ手を振ってヒソカはいずこへか歩いて行った。
「あ、もう…。何なんだよ…」
残された俺は、1人寂しく残ったパンをスープに浸してまた口に運び始めた。
「ねぇ」
窓から当然のごとく侵入して来たイルミを見やり、洗い終わったスープ皿を拭きながらイルミの続く言葉に耳を傾けた。
「ヒソカは?」
「あれ、イル兄と一緒じゃなかったんだ?今仕事に行ったところ」
「…そう。次の仕事の打ち合わせに来たんだけど、無駄足だったかな…」
「夕方には帰ってくるってさ」
そう答え、いつも通りのマントに身を包む。
「じゃあまた夕方来るよ」
そう言って来た窓からまさに出ようとしているイル兄を、咄嗟に引き止めた。
「…何?」
「ねぇ、イル兄…今日なんの日か知らない?ヒソカに、分かったらご褒美あげるって言われたんだけど…」
「…ヒソカからご褒美?俺は遠慮したいけど」
ふぅっと息をついて、イル兄はもう一度床に立った。
「…とりあえず、俺の知ってる人の中で今日が命日の人はいないよ」
「イル兄、仕事からとりあえず離れて!」
命日なんて聞きたくないし、そんなのを問題にもしないだろう。
いくらヒソカでも。
…いくら、ヒソカ、でも…。
…しないよね?
「ゴーンー待てよ、チョコロボくん安いぜ!?」
「もー、キールーアー!今月どんだけチョコロボくん買ってると思ってるの!」
「んー…忘れちまった!」
お昼時、夕飯の買い出しに出掛けるとキルアとゴンがいた。
大きな声でお菓子コーナーで騒いでいる2人にそっと近づく。
「あ、ラファ!久しぶり!」
先に俺に気づいたのはゴンだった。
ついでキルアがこちらを向く。
「お買い物?」
「じゃなかったらなんでここにいるんだよ」
「えーっと…何でだろ?」
「ばっかだなぁ、ゴンは」
横でキシシシと笑うキルアに、馬鹿にしちゃダメだよと言うと、キルアは少しむくれた。
「ラファ、何買いに来たの?」
「夕飯の食材をね」
肉やら野菜の入ったカゴを持ち上げると、ゴンとキルアが其れを覗き込んだ。
「今日の夜ご飯は、ハヤシライスだね!」
「えっ、わかるの?」
俺が聞くと、ふふんっと得意気に鼻を鳴らした。
「ミトさんの手伝い、伊達にしてないよ」
そっか、偉いなゴンは、と言うと、キルアが小さく、俺だってできるし…と呟いた。
可愛い、本当に子供らしい。
「そうだ、キルア、ゴン、今日なんの日か知ってる?」
今朝ヒソカから出された問いを思い出して聞くと、ゴンは首を傾げたけれどキルアは何か知っているようだった。
「誰から聞かれたんだよ」
「?ヒソカだけど?」
「やっぱりか、あの変態スケベ…」
「えっ!?何かえっちなことなの?」
驚いた声をあげるゴンに、違う違うとキルアは首を振った。
「と、とりあえず、コレ買ってけよ!ヒソカが欲しいって言ってたぜ!」
そう言って、ポッキーの箱を渡された。
「え…?ヒソカ、別に俺には何も…」
今朝も、特に欲しいものは言われなかった。
「あ!そういえば今日って、ポ、もぶっ」
何かを言いかけたゴンの口に慌ててキルアが手を突っ込んで苦笑いを浮かべた。
「あ、あっははー…何でもない何でもない!とりあえずこれ買ってけば良いって、な?」
「?…うん、分かった」
何かよくわからないけれど、大してお金のかかるものでもないのでついでにポッキーとジュースも買って、帰宅した。
ハヤシライスを作り、サラダを支度し、ヒソカを待つばかりとなった頃。
そういえば、キルアに勧められたんだっけ…とポッキーの箱を取り出す。
裏面を見ると、何やら文字が。
「…ポッキー、の、日…?あれ、これ今日だ…」
ヒソカが言ってたの、ポッキーの日だったのかもしれない。
「ただいまー♦」
「あ、おかえりヒソカ」
返り血で染まった服のまま、ペテン師が帰宅した。
いつもはドッキリテクスチャーで隠して帰ってくるけれど、そんなにひどくやられたのか。
「ヒソカ、怪我は…?」
「無いよ、平気♥」
ごそごそと着替えると、ヒソカは人が悪い笑みを唇に乗せて俺を見た。
「何の日か、分かった?ラファ」
「ポッキーの日?」
先ほどパッケージで手にいれた情報をそのまま呟くと、ヒソカは残念そうでもなさそうに、
「なぁんだ、分かっちゃったの…⭐」
と言った。
「うん、これに書いてあって」
ポッキーの箱を見せると、ヒソカは少し面食らった顔をして、其れから自分の懐からも同じものを取り出した。
「僕も、買って来ちゃった♦」
その箱を机におくと、ヒソカはソファに腰掛けて俺を呼んだ。
「でも、ヒソカ、ご飯は…」
「ご褒美のあとね♥」
「ご褒美…?」
首を傾げながらヒソカの元へ行くと、ヒソカは自らの膝の上に俺を引き込んだ。
その膝の上に座り、ヒソカを見上げるとにぃっと笑ってちゅっと俺の頬にキスを落とした。
「ポッキーゲーム⭐」
「ぽっきー、げーむ…?」
「そう♠」
ヒソカは相変わらず楽しそうな顔のままポッキーの箱を開けて、ポッキーを取り出すと、俺の口にポッキーを向けた。
「これ、咥えて♣まだ食べちゃダメだよ⭐」
「?」
とりあえず先を咥えると、チョコの甘い味が口に広がる。
すると、ヒソカがチョコのついていない方を咥えた。
「ん、ちょ、ひしょか…」
さくっさくっとヒソカがポッキーを食べ進めてくる。
俺も食べ始めると、あっという間に顔と顔が近づく、ヒソカが、近い。
「ん…」
途中で顔を止めると、ヒソカは一気にポッキーを口に含み…俺に、キスを、した。
「ん、んぅ…っ」
甘くて、サクサクしたビスケットも僅かに感じられて、何時もよりも何だかエロいような気がする…。
口からあふれる唾液すらもチョコレートの味がして…。
「ん…っ、ん、ぅ…ひそ、かぁ…」
ヒソカの背中を抱きしめると、ヒソカは笑って、俺を抱きしめた。
「ん…ひしょ、か…ん、ふ、んん…」
ちゅっと軽い音と共に、今の激しいキスが嘘のようにヒソカの唇が離れた。
「ヒソカ…いまの…?」
「そう、今のがポッキーゲーム⭐」
ちゅっと再び目元に音を立ててキスを落とされた。
「ヒソカ…ヒソカ…好き…」
「…僕も好きだよ、ラファ♥」
普段浴びるのは血ばかり。
いつ死ぬかも分からないけれど。
チョコレートのように溶け合った、この魔法の日だけはせめて…愛を伝えたい。
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