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ゾルディック×兄弟愛×武器
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「…父さん」
「どうした、イルミ」
「ラファのことちゃんと教えて。キルも知らないって言ってたし、まるで知ってるみたいな変なデジャヴにつきまとわれてて嫌なんだけど…」
「…其れは本人に聞け。ラファ」
ヒソカと鬼ごっこをしていた俺は、天井に立ったままシルバを見下ろした。
「何?」
「イルミに…戻してやれ」
…。
「…嫌だと言ったら?」
「私は其れでもいいと思うが、イルミが其れでは承知しない。ラファ」
「…明日なら、いい。其れで、俺、出てく…。いいよね、ヒソカ」
「僕はラファと居られれば何でもいいよぉ⭐」
「今日はまだ、父さんやミル兄と居たいの…」
床に降り立ち、ぎゅうとネックレスを握りしめる。
…本当は、ここが一番…家族に近いのだろうけれど。
それを察したらしいヒソカが、隣に立ち、僕の手をそっとネックレスから外した。
「…待て、もう、行くのか?」
「うん。知られて此処に居続けることなんて、出来ない…」
「…もう少し、ここに居ないか?折角キキョウもミルキも喜んでいるんだ」
「…イル兄が、きっと嫌がる…」
「あ、いた、ラファ」
「…ミル兄」
空気を読まず、割り入ってミルキが入ってきた。
手にはチェーンが握られている。
拷問器具を持って、なぜこのタイミングで僕を⁇
「ほら、これ…お前が前に欲しがってただろ、念でなくても強くて、応用が効く武器」
「…覚えててくれたんだ、もう…4年も…経つのに」
「お前が物欲しがるなんて珍しかったから、ずっと探してたんだ。ほら、お前のために錆びにくい真鍮と金で作らせたんだ。多少重いけどお前なら大丈夫だろ」
渡された武器はずしりと重くて、所々にキラキラ光るストーンがはめ込まれていた。
「…これは?」
「…それは…その」
10粒の、それぞれ色の違うストーン。
見上げると、ミルキは頬を染めていた。
「ミル兄?」
「…お前の、家族のイメージで…一応カスタマイズしたんだ」
「か、ぞく…?」
「…このクリスタルが親父、このローズクォーツがお袋…」
順にゾルディック家の人間の名前が呼ばれ、全員呼び終えた後に、薄緑の石をミルキが指差した。
「これがヒソカ、こっちが…お前だ、ラファ」
僕のだと指差された粒は、虹色に輝いていた。
「これはまだ発見されてなかった新種のダイヤで…今、お前の名前をつけられるよう申請してる」
「…!!」
「ラファ、此れでいつでも俺たちと一緒だから」
だから、いつでも頼れ、戻って来る場所はここだと、言われた気がした。
頭を撫でるその手はとても暖かくて。
「…みる、に…」
「ん?」
「ありがとう…だいすき、みるにい…」
ぎゅうと抱きしめると、ミル兄は腰を低くし、抱きしめやすいようにしてくれた。
「良かったねぇ…♦️」
「うんっ…僕、いっぱいいっぱい家族できた…」
ずっとずっと、欲しかった…家族。
それが、今こんなにも多い。
「だから、ラファ。兄さんに、記憶を返してやってくれ。大丈夫、心配することはない。俺たちは家族だ、兄さんもきっとわかってくれる。分からず、ラファを攻撃しようとすることはない。だって、俺たちの兄貴だ…な?ラファ、兄さんを、…信じてくれ」
「…」
…どうするのが正解か、わからない。
ちらとヒソカを見やると、好きにしろと目で言われた。
…好きに、って…。
イル兄が受け入れてくれる保証は…何処にもない。
でも、僕は…
…イル兄を信じたい。
「…いいね?♠️」
「うん…」
ヒソカに抱っこされ、椅子に座ったイルミを見つめる。
イルミは、やはり怪訝な顔で僕を見ていた。
「…イル兄、ごめんね」
そっと手に念を込める。
イルミの記憶をそこへ閉じ込め、そっとイルミの額へ押し付けた。
…どうか、嫌わないで。
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