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救済
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『い、った!痛い、いたい・・っ!』
涙がぼろぼろこぼれて、腕や足に激痛が走る。
黒い影が笑いながら俺を虐げて喜んでいる。
『おねがい・・っ、やめて・・!』
痛みに耐えながら身体を縮こませて、耐える。
(いたい・・・こわい)
色んなところから血が出て、
恐怖が身体全体を包んだ。
そうしたら、急にふっと痛みが止んで誰かに抱きしめられた。
痛みも恐怖も無くて、水の中にいるみたいにふよふよして、安心できた。
(だれ・・・・?)
顔を上げようとしたら、
覚えのある声と心地が髪を撫でてくれたから、
それをやめてほしくなくてじっとしていた。
『好き』
唐突に、自然に放たれた言葉で一気に心拍数が上がると目の前が開けた。
「・・・ん、」
「あ」
目を覚ますと心配そうな顔をした男が俺を見下ろしていた。
その手は俺の頭に置かれ優しく撫でていた。
「大丈夫?うなされてたけど」
必要以上に心配そうな顔をしている篠原におまえばかじゃないのかって言いたくなるけど、口を噤む。
「・・・うん・・」
なんだか重たい瞼を感じて目を触ると少し腫れているのがわかった。
何でか思い出して、助けを求めてしまった自分に嫌気が差した。
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