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狂想 -Dependence
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依存している。
狂っている。
このまま彼の頭の中の恐怖がまだ彼を支配し続けてくれたら、
俺はその間ずっと君に依存していられる。
愛だの恋だの生温い共存なんかいらない。
**
一ヶ月経った頃、柊くんはまだ遠慮がちではあったがここへ住み始めた当初よりはましになっていた。
口調も行動も普通になりつつある。
相変わらず不安定な事に変わりはないが、その度に俺が宥めていたものだから最初の方より錯乱も減ってきたし、
柊くん自体も少しは楽になってきたのではないかと思う。
あれから売りにも行っていない(行かせない)から傷を作ってきたり・・というのは全く無い。
柊くんを一人で出かけさせる事は勿論していない。
彼は嫌そうな顔をするけど、だって、やっぱりひとりでなんて、何をされるかわかんないしするかもわかんない。
でも彼はそんなに多く出かける訳じゃないからいい。
しかし、
「ほんとに大丈夫?何かあったら電話するんだよ?」
「わかったって・・・心配性かよ」
しかしだ。
大学生の俺は勿論学校がある。
10時から行くことにして、3時には帰ってくる。
とは言え、5時間も家をあけるのだ。
もし彼に何かあったら・・なんて心配で仕方なかった。
(俺からも電話かけよう・・)
念に念を押すと「わかったって」と苦笑いされてしまった。
「じゃあ、ほんとに気をつけてよ!戸締りしたけど窓開けっぱにしたりしないでね!」
「気をつけてよはこっちのセリフだろ。さっさと行かないと遅れるんじゃないの」
「あっ、やばい!行ってくるね、すぐ帰るから!」
家を出る予定時間を5分程オーバーしたせいで急ぐ羽目になった俺は、
じゃあね!と声をかけてから急いで家を出た。
ーー
(つまんないなあ・・早く家に帰りたい)
「圭太」
(大丈夫かな・・・さっき一回電話したのにもう心配になってきた)
「けーいーたー」
(俺やっぱりかなりの重症か・・・)
「圭太!!」
大きな肩への衝撃に「うわ!!!!!!」なんて声を上げちゃって周りの女子が振り返る。
肩に衝撃を与えた本人である新井が俺を見てにやにや笑っている。
「・・なんだその気持ち悪い口元は」
「いやあ・・・あの女気の無かった篠原が気になるコでもできたのかなって」
「・・・・」
「・・・は?マジ?」
「誰だあ今変な声出したのー」
そう聞きながら俺の方を睨んだ教授に対して
すいません、なんて平謝りすると周りから少しの笑いが上がった。
(2時39分)
「じゃあもう授業終わりー。ちゃんとレポートやってこいよお」
教授の声で周りが一瞬にしてざわつく。
「そんでそんで?その子どんな子なの?」
しつこくつっかかってくる新井を押しのけて出口へ向かう。
「バカ言わねーよ」
半笑いで返したが正直早く帰りたくて仕方ない。
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