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幸福
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がしゃん、と大きな音を立てて食器や料理が机から飛んだ。
驚いて思わず椅子から立ち上がる。
「あっ!!!、」
それは圭太さんの手で行われた行為だと言うことは明白だった。
「っ、け、けいたさ、ん」
慌てながらも近付けずに裾を握りしめた。
ぎり、と何かを噛みしめる音と、机の上に落ちた血と涙。
「そうだよだって何で柊くんが苦しまなきゃいけないの?そんな理由ないでしょ、ましてやあいつ、柊くんを殺そうとしてた、閉じ込めようとしてた、そんな、だって、俺」
悪いことなんてしてない。
わるいことなんてしてない、とはっきりした口調で語った圭太さんは唇を力いっぱい噛みしめ、震える拳を握りしめて、そう言った。
そして虚ろな目で俺を見てから涙が溢れた瞳で、いつも愛を紡ぐ唇で。
「ね、だから、俺・・・愛してるだけなんだ」
ああなんて滑稽で猟奇的で醜く汚らわしい愛。
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