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ーー
「野上ー、何で?何でそんなに…こっちがいんだよっ!!」
翌朝、席に座る俺の前にまた立って、高藤はそう声をあらげた。
「あー…ごめんて。俺興味ないっつーか、こっちのがフツーに良さそうだと思」
「なんだよそれーっ!!こっちのが絶対良いって!!皆でできるし一致団結感するし!」
「……」
…だから、それがヤなんだろ。
プイとして高藤からそっぽを向けると、何でまた無視すんだよーっ!!と喚く高藤に、クラスの視線が俺たちに向けられるのが分かった。
「何やってるの、二人」
「ーおぉ!雛原!!いいところにっ…!」
…どこがだよ…最悪だよ。
「いや~こいつがさぁ、体育祭の種目絶対徒競走がいいって言うの!ぜってーリレーのが勝った時とか楽しいのに、頑なに徒競走ってさ~っ」
…ち、
「……良いんだよ、独立してやる方が楽なんだよ俺は」
「あーっ!!何それっ体育祭だぞ?みんなでワイワイ楽しまないでどーすんだよ!人生を損してる!!確実に!」
「はっ」
「…まぁまぁ落ち着いて二人とも」
にこっとして言う雛原にイライラが倍増する俺。
「まぁ…高藤の言うことも分かるよね。確かに皆で一致団結は大事だし、やる気ないのはどーかと思うよ?」
「ほらーっ!言ってんだろ雛原も!!」
「……」
……よく嘘をぺーぺーと…。
「でも、高藤も高藤だよ?体育祭は、リレーだけじゃなくて、徒競走だってもちろん競技のうちなんだから、あんまりリレーばかり推してもらっても困る、徒競走だって出る人いるんだからね」
その雛原の言葉に、うぅっと言葉を詰まらせる高藤。
「だ、だよな…?ごめん。俺、…野上と同じ競技に出たくて、つい…」
「は?」
その言葉に顔をあげる俺。
「だってさぁ、野上と三年になって初めて同じクラスになってっし、こういう行事とか一緒にやって楽しみたいっつーかさー」
口を少々尖らし言う高藤。
「…まぁいいけどねー、別に絶対ってわけでもないし、野上がしたいのすれば良いとも思うし、」
「…高藤」
そんなにこいつが俺と同じ競技に出たかったなんて……
「高藤、俺…」
「…野上…」
「やっぱり俺……」
「ーお~い野上~、一年来てんぞ~。湯馬とかいう」
……。
ガタっ!!
途端席を立つ俺。
「え、あ…っ!ちょっと野上っ!」
「わり、俺ちょっと行かないと…」
「体育祭の種目はっ!?…結局どれにすんだよっ!!」
「ーー決まってんだろ、徒競走だ。」
それから一瞬の間を開けて、しばらくして高藤のえぇっ!!?と言う声が俺の背後で聞こえた。
軽く後ろを振り向くと、わーっとまたオーバーリアクションし叫ぶ高藤の側で、雛原がこちらをあの二人の時の空間でいるときのような雰囲気をして俺を見据えていた。
「ーーすみません、わざわざおしかけるみたいな真似しちゃって」
空き教室に入って扉を閉め、あくまでにこやかに湯馬はそう言って先に入った俺を見た。
キレイな顔立ちと黒い落ち着いた髪も昨日と変わらず、笑みを浮かべる感じが、俺に似てるんだ…?と言った雛原を思い出させた。
きちっとした身のこなしに栄えるかのような、しなやかに長い手足に俺は少し離れた距離で見ながら別に、と口を開いた。
「つか、何の用だ?10分しか休憩ないのに、もしかして…今からヤろうとか言わないよな?」
すると俺のその言葉に湯馬は一瞬目を開いて、それから声を出して笑った。
「あははは、何ですかそれ?言いませんよそんなこと、一応俺後輩ですし、会ってまだ二回目ですし」
そう言う湯馬を見てイラッとして少し眉間にシワを寄せる俺。
「…あぁそうだな。悪い、変なこと言って。お前のこと性欲のかたまりみたいな言い方して悪かった」
そう言ってシワを寄せたままここから出ようと湯馬の横を横切ろうとすると、掴まれる片腕。
「あぁ、待って下さいよ先輩。逃げないで」
「ー逃げてない、ウザいから出るんだ」
「駄目ですよ、俺が待てと言ったら待つんですよ、あなたは…」
っ、
…何なんだよこいつは。
キッとして睨むと不敵な笑みを浮かべ、湯馬は俺を見た。
「…従わないと、広めちゃいますよ?あなたとクラスメイトとのことーー」
「……言えばいいだろ、…言ったって、誰もそんな証拠もないことー」
「写真くらいじゃ、信じてもらえませんかね?」
……
「え…?」
どくん、と…心臓が音を立てて、目を開いて俺は湯馬の目を見つめる。
「確かちゃんと保存しといたはずなんですけど…どうだったっけな?」
言いながらパッとポケットに手を入れ携帯を出し、片方の手で俺の腕を掴みながら片方の手で携帯をいじる湯馬。
その動作に、どくどくと動機がして冷や汗が背中を流れるのが分かる。
「…あーこれかな?ほら、見て下さい」
言われパッと見せられたその画面に、大きく目を開く俺。
…そこには、明らかにディープキスをかましている紛れもない俺と雛原のはっきりとした姿。
どうして…いつの間に、こんな…
「もっと濃いのもあるんですけど…あ、ほらこれとか。見ます?」
言われ再び見せられ、それからすぐバッと顔ごと横に反らす俺。
それを見て湯馬は俺の腕を自分の方へぐいっと引っ張り引き寄せ、その端正な顔を近づけてくる。
「…あれ、どうしたんですか?…もしかして恥ずかしいんですか?自分が突かれてあんあん言って泣いてるところ…」
…!!、
「ーー違う!!、…そんなんじゃ、…そんなんじゃないっ!!」
それに思わず、かぁあっと思い切り顔を火照らせ叫ぶように否定する俺。
すると不意に俺の顎を掴み強引に上に向かせたかと思うと、そのまま俺の体をドアに背を付け押し付ける湯馬。
「な、に…ゆう」
「……何それ、反則でしょ」
「え…?」
そして気づいたときには、唇を湯馬によって塞がれていた。
「…ん、ふ……っ、湯、馬…やめ…」
「……」
「……んんっ、ゆう、ま…んっ」
長いキスをされた後に、口内を湯馬の舌ではいまわされ、胸を押し返しても顔を反らそうとしてもそんなもの一切通用しない湯馬の力に流されていく俺。
顎を湯馬と混ざりあった唾液が滴り落ち、俺の口からはぁはぁという息が出、湯馬は銀色の糸を引きながら俺から一度顔を離した。
そうして、赤らんだ顔をして口から透明の液を流す俺を見て、ヤバイな…と湯馬はそう声を漏らした。
「先輩…俺さっき色々言いましたけど、やっぱ分かりません…」
え…?と言って顔を上げ見つめると、湯馬はちゅ、と俺の額に唇を押し当てた。
「……俺、先輩の言うように性欲の塊なのかも」
「え、」
そう言って湯馬は、俺のシャツの裾から手を入れまくり上げたー。
「、ちょ、…ちょっと、湯馬っ!!お前…」
「我慢できない、…あなたが欲しい」
「~っっふざけるな!俺は先輩だぞ!お前みたいな後輩にこんなこと…!」
「写真ばらまきますよ」
「ー!!」
その言葉にぐっと唇を噛んで迫る湯馬を睨む俺。
「…何ですかそれ。誘ってるんですか?…」
「……」
「そういう顔されると……本当…めちゃくちゃにしたくなる……」
湯馬の手が胸の突起部分を摘まんで、俺は堪らずひゃぁっと情けない声を上げた。
「んや、…や、めてくれ、…湯馬、頼む、から…っ」
自分の口を手で押さえ羞恥で涙目を浮かべる俺を見て、湯馬は更に摘まんだ部分に爪を立て刺激してくる。
その強い刺激にのけ反る俺。
スピーカーから本鈴のチャイムが鳴って、俺は体を震わせながら湯馬の胸を押し返した。
「ゆうま…、チャイムが…授業が…」
「ーーそんなこと、どうでもいい」
でも、湯馬は人が変わったような酷く熱い目をして、赤く火照った顔をした俺を見つめた。
それから抵抗虚しく、湯馬はシャツから手を出すと、俺の下へ手を伸ばした。
目を開いてその手を離させようと掴むも、ぎゅっと軽く自身を握られ俺の力は一気に抜けていく。
「…はぁっ!んあ…っ、やめ……っっ」
耳まで真っ赤にさせる俺を見て、湯馬は俺のズボンのベルトを外し始める。
たまらず叫ぶ俺。
「…ま、待て!!湯馬、頼むから…お願いだからっ!もう…」
けれどそんな俺の必死の制止の声も湯馬は全く聞いていないようで、そのままカチャカチャと音をさせ、ズボンを下着ごと下へずり下ろした。
途端に丸裸にされたそこに感じる外気の気温。
息を呑むようにして後輩に見られる屈辱的すぎるその目、目、目……。
俺は何が起こっているのか分からず暫し背にドアを付け立ったまま、目の前で俺のモノに視線を向ける湯馬を見て一瞬変な感覚に陥った。
すると、急にバッと湯馬が直に俺のモノを掴んで俺は声を上げ湯馬を見つめた。
「、あぁはっっ!!ゆ、ま…湯馬、んんっ駄目、…駄目!…そんな、こと…!!」
もう何がどうなってるのか理解できずに、俺は涙を流し、止められないそれに叫んだ。
けれど湯馬は言いながらはぁはぁと息をして体を震わせる俺を見て、弧を描くように笑った。
「…何言ってるんですか。俺にキスされて、乳首触られて、…ココ、先走ってたくせに」
その言葉に、俺は何も言い返すことができなかった。
湯馬は、そんな俺を見て再び笑った。
「良いですよ、…イカせてあげても」
「…ぅ、…るさい、…そんな、んぁ…っ、…いらないっ」
「……良いのかなぁそんなこと言っちゃって。正直になればいいのに…」
そう言って、湯馬のソコをつかむ手は、だんだんと速度を早めた。
それに伴って止めようとしても出る、いつもの声よりも高く、甘い声。
「感じてるんですか…?可愛い声出ちゃってますよ?」
「違っ…ぅ、っっ、ーそんな、…あぁ!、出て、なっん」
頭は朦朧として、視界が涙でぼやけているのに、その湯馬の声と、びくびくと着実に熱をもってしまっているソレだけは、信じられないくらい鮮明で、…俺は夢なのか、現実なのかの見分けがつかなくなって宙を仰ぐー。
「…先輩、先輩…気持ち良い?」
「ぁあっ…はぁああ……っ、」
「……先輩、好きです、…好きですよ、あなたのことが…」
ぼやける視界の中で、不意に真剣味を帯びた声を出してそう言った、湯馬の顔は……上手く映し出せなかった。
「…可愛い、先輩…可愛い……」
ーそうして、ひたすら何度もそう言う湯馬の声が俺の鼓膜を甘く震わせ、ソコをつかむ手の速度が急速に早まっていくのが分かったのと、同時に。
「…あぁああ……っっ!!」
俺は湯馬の手の中に、一際高い声を上げて、白い液を吐き出したー。
ーー
「野上~~、おっはよー」
翌日、教室へ行くために歩く廊下で後ろから来た高藤にテンション高く言われて肩を叩かれる。
「……あぁ、高藤…。…おはよ」
それに振り返ってずーんとして答えると、高藤がひっと言って後ろへ一歩下がった。
「な、なんだよ何っ!?そんな負のオーラ背負って一体何があったんだよ!!こえぇーなぁオイ!」
「…別に…負のオーラなんて…」
「抱えてんだろう!?思いっきり!、つかお前ただでさえテンション低いのに更に下がってどうすんだよっ?更に怖さが増してんだっつーの!」
……。
ー「可愛い……先輩…」
…っ、…~あぁもうっっ!
「わわっ!なんだよ野上っ、どうしたんだよ…!?」
頭をがーっと両手でかきむしるようにすると、びくっとして隣に立つ高藤が怯えて俺を見た。
…あぁ、つぅか、なんつー不覚だ……。
あり得ない、後輩に、年下に、同性に…
……何簡単にイカされてんだよ俺…。
脅されてるにしても、何か方法はあったはずなのに…
……本当、情けない。
一応昨日はイカされるだけで済んだけど…次呼び出されたら何をされるか…。
「ーーあれ、二人ともおはよう」
ビク
と、不意に教室を入ろうとして聞こえた声に、俺は体が一瞬固まるようだった。
「あ、雛原~!おはよーっ今日も清潔感に溢れてるな!」
「はは、そうかな?ありがとう」
あははと笑って話す高藤と雛原を居心地悪く横目で暫し見る俺。
しかし、すぐそれも限界を迎え、逃げるようにして俺はそのまま教室へ入ー
ガシッ
……え。
「…野上くん、今日のお昼休み…ちょっとお話があるんだけど…良いかな?」
……。
…それは絶対来いと言う意味なんだろうな…と、俺は絶望的な気分でニコニコと笑みを浮かべる雛原を見るしかなかった。
ードンッッ!
お昼休み、昨日湯馬に連れてこられた場所と同じ空き教室に向かうと、扉を開けた瞬間物凄い力で腕を掴まれ引っ張られ、俺はそばにあった机に背中を打って床へと思い切り尻餅をついた。
「いっつ…、」
それらの痛みに顔を歪め、俺は腰にゆっくりと手を伸ばす。
コツ…という音に顔を上げると、目の前に見下すようにしてー
雛原が俺を見つめていた。
「…野上、正直に昨日のこと話して欲しいんだよね」
「…昨日?…」
雛原の言葉にそう口を開く俺。
すると、ぎゅうぅと途端に足を開いていた俺の間に向かって雛原は自分の足を置いて強く押すようにした。
言い様のない痛みに声も出ずただ汗を吹き出し目を開く俺。
手でその足を退かせようとすると更に強く踏まれ、俺は痛みで目に涙がうっすらと浮かぶのがわかった。
ふと外ではしゃぐ声が聞こえ、俺は静寂なこの空間で強くぎりっと歯を食いしばった。
雛原はそんな俺を見て笑って見下ろした。
「…いい眺めだな、マゾのお前にはたまんないか?」
言ってぐりぐりと体重をかけてくる足に、俺は息も絶え絶えに立つ雛原の顔を見上げ見つめる。
「……っ、…た、…のむ…、ねが……足、…っ」
途切れ途切れに言うと、雛原は笑って見上げる俺を見下ろす。
「何言ってるかわかんない。…もっと強くしてほしいって?」
「ーあぁぐ……っっ!……違…、…違う!そう、じゃな…」
下手に出れば出るほど、雛原は楽しそうに俺を見下ろし見つめた。
ーけれど、へたに雛原の刺激をおしてしまったらそれこそ俺はどうかなってしまうと思ったので、そうするしか他なかった。
「き、…昨日は、何もしてない…んだ。…少し、ただ、呼ばれて、それで…話してたんだ、…それで…た、確かに、迫られは…したけど、違う、から。俺は、…ちゃんと断って…お、そくなって…それで…」
震える体を抑えながら…踏み潰されるそれに恐怖して必死に言葉をつないで言うと、上から視線を冷たく落とす雛原は暫し無言で俺を伺うように見た。
「ふーん…。次の授業に遅れるくらい話してたんだ…?」
「ー、だ、だからそれは…ことわ、るのにじ、時間がかかっ、て……」
「……」
「……、そ、それで…だから…」
ただ下を向いて、雛原の膝辺りを見つめ、俺はどくどくと脈打つ心臓を隠すのに必死だった。
するとスッと離れるその足。
俺は思いがけず、パッと上を見上げた。
雛原は、笑っていた。…優しい笑みで。
「そう…だったら良いよ。野上、ごめんね…。俺、てっきり何かされて…それを野上が許してると思ってたから…。痛かった?立てる?」
「あ…いや、」
差し出された手に、俺は動揺しながら手を握ってまだ痛む腰をゆっくりと上げて体を起こさせ立ち上がった。
と、同時にぐっと腰を雛原によって掴まれ引き寄せられ、目の前いっぱいに雛原の顔が映った。
「ひな、」
「…でも」
「え…?」
一瞬
笑みに影が差したような雛原を、俺は見逃さなかった。
「もし、…俺以外の奴に興味なんて示したら、絶対…許さないから…」
「ー」
…それは彼とこういう関係になって数日経った日に、
事前に言われていた言葉だった。
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