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失恋
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その日は龍一と下校した。
朝からずっと昨日の出来事を…真里子ちゃんとの始めてのキスを龍一に報告したくてウズウズしていた。
駅へと歩みを進めながら…
「実は龍一に報告が有るんだ!」
俺はハイテンション
「何?そんなに嬉しそうな顔して」
龍一もそんな俺を見て綺麗に微笑む。
「龍一には秘密にしていたけど俺…彼女が出来たんだ!メッチャ可愛い子でさぁ~、昨日ついにチュウしたよ!」
龍一の足が止まった。
下を向いてるから表情は確認出来ないが、驚いてるんだろうな。
龍一は良い奴だから、きっと一緒に喜んでくれる。
そして、これでモテない俺を気遣って龍一も女子からの告白を断る事をしなくて済む。
俺に彼女が出来る事で俺も龍一も幸せになる!
そう確信していたのだが・・・
「…許さない」
「えっ?何?…ゴメンよく聞こえなかったからもう一回言って」
龍一が顔を上げると恐ろしい程の無表情で俺は一緒凍り付いた。
…が、すぐに龍一は笑顔を取り戻した。
「誰?何組?名前は何ていうの?」
一瞬、龍一の怖い表情に俺は凄く驚いたけど、たぶんコイツはビックリしたんだよな?
龍一がニコニコと聞いてきたから俺も嬉しくて真里子ちゃんとの出来事を沢山話した。
夢にまで見た親友との彼女の話。
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―‐数日後‐――
「雅人君、ゴメンなさい…別れて下さい」
「………え…?」
突然の事で理解出来なかった。
「別れよ…他に好きな人が出来たの、雅人君と別れたら付き合ってくれるって約束してくれたの…雅人君には本当に申し訳無いと思ってるけど、私どうしてもその人が好きなの!!」
頭が真っ白だ。
「ぇ…?え?」
…ヤバイ、泣きそう…堪えるんだ俺!
でも、俺よりも真里子ちゃんの方が苦しそうな顔をしていて…
「ゴメンなさい、ゴメンなさい…どうしても彼が好きなの、苦しいくらいに…」
肩を震わせて小さく泣きだした真里子ちゃんを見て、俺の恋は終った事を確信した。
誰かも解らない相手に嫉妬した。
真里子ちゃんの心はソイツのモンで俺の入り込む余地は微塵も無い。
完全な失恋。
あっけなかった・・・
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