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spirit in 淳
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あ、危なかったーーッ!!
逃げるように保健室から出てしまった。
雅に俺の気持ちを伝える前にうっかり手ェ出してしまいそうだったわ、何あの美味しいシチュエーション!
はぁ~、俺のアンポンタン
俺の視線キモかったかな?
着替える時もメッチャ警戒してたしな・・・雅の裸が見たいという俺の下心がバレてしまったのやろか?
倒れそうになった時はマジでビビッたけど・・・まぁ、あれだけ血ぃ出たら貧血にもなるで!
それにしても雅の身体細かったなぁ、ちゃんと飯食ってんのか?俺の腕の中にスッポリおさまったで?ジャストサイズや!
しかも、ごっついエエ香りしたし、シャンプーの匂いか?
俺はいそいそと廊下を歩く。
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俺が雅を好きになったのは一年の時やった。
雅はどこにでも居そうな何の変哲も無い普通のクラスメイト
そんな極々普通な雅の隣には、成績も優秀で女子からも一番人気の有ると噂の有名人。
興味無いけど、雅が「龍一」って呼んでいるから名前を覚えてしまった。
始めは人気者と雑草のキャラ的デコボココンビが不思議でちょいちょい見てた。
女子が裏で雅の事を金魚の糞だの、龍一に媚びてウザイだの何だの言ってて、俺も始めは友達の七光りで人気を得ようと考える浅ましい人間なのかと思ってた。
俺のまわりがそうやから。
俺も自慢じゃないが見た目も、まぁまぁカッチョエエし、女子にも人気が有るねん!
そんな俺の周りに集まってくる輩は、これといって俺と話も合うわけでも無いのに妙に俺に群れようとする。
だから雅も同類かと思ってたけど、違う事に気付いた。
どう見ても金魚の糞は龍一って男にしか見えへん。
休み時間のたびに俺らの教室に来ては雅の所へ。
放課後もまっさきにココに来る。
なんやねん皆の目は節穴か?
そんな人気者に好かれる雅に少し興味を持ち始めて、授業中とかでも俺はよく雅を見るようになってた。
ある時、教師に頼まれたのか資料室で沢山の教材を持って出てきた雅。
ちっさい身体に大きな荷物抱えて不安定に歩いたから、何気なく俺が荷物を持ってやると雅は驚いた顔をしたけど
「ありがとう徳永」
と言うてメッチャ嬉しそうな笑顔で笑ってくれた。
俺は雅に見惚れてしまった。
メッチャ普通の男子やのに何て綺麗に笑うんやろ、何て嬉しそうにお礼を言う奴なんだ・・・。
俺はその日から積極的に何かあるごとに雅を手伝ったり、話しかけた。
次第に雅は俺の事を「徳永」から「淳」って下の名前で呼ぶようになった。
何かよう解らんが胸の辺りがホンワカした。
授業中、暇な俺の雅観察は続く、
して気付いた。
雅はよく隣の席の女子を見ている。
確か名前は小池何とかって女。
小池が話しかけると顔をゴッツ赤くして雅は慌てて答える。
話し終わった小池が黒板に向き直ると雅は凄く嬉しそうに一人はにかむ。
あぁ、雅は小池が好きなんか・・・んで俺も気付いた。
胃がゴッツイムカムカする。
雅の視線が小池に向く度に俺のテンションはガタ落ち。
でも雅が俺と話しながら笑ってくれる時は俺のテンションは上げ上げ。
阿呆な俺でもわかってる、いつしか俺は雅に惚れてしもたんや。
でも雅は小池が好きや・・・見ててわかる、メッチャ好きなんやろうな・・・幸せそうな顔して小池を見てる、俺に入る隙はないんちゃう?ってのも知ってる。
だけど旗から見てた俺はいらん事にも気付いてもうた。
小池は雅の友達・・・龍一が好きだと。
だから雅と小池が付き合ったと知って驚いた。
二人が付き合っている事は周りには秘密にしてたらしいけど、俺は直接小池から聞いたから間違いない。
何考えてんねん、この女。
内心俺ははドン引き
俺は小池に近づき頻繁に相談に乗る振りをする。
小池は徐々に深い内容まで話す様になり核心を掴む情報を聞き出す事に成功した。
話しによると、龍一はどんなに可愛い子が話しかけても一切振り向いてくれないらしく、女子どころか男子にももちろん、雅以外の人間には一切興味を持っていない様らしい。
でも、小池はムッチャ龍一が好き!その為には存在を知ってもらい自分に興味を持つように仕向けなくてはならない。
そこで自分に好意を抱く雅を利用したって訳やった。
なんやねんソレ?
俺は吐きそうになったが、どうする事も出来ない・・・だって真実を言うたら雅が傷付くやん?でも、このまま交際が長引いたら・・・くそッ!ジレンマやッ!!
だが俺が行動に出る前に時は来た。
いつもの様に小池の相談を聞いていた時だった、龍一から声をかけて来たらしい。
しかも雅ァと別れたら付き合ってくれるという、むっちゃクレイジーな展開。
小池も龍一って男も何考えてんねん!
その後はわからへん、情報源の小池が登校拒否を起こしたから・・・。
元気の無い雅ぁ。
当然か、親友に彼女を奪われたもんなぁ。
雅ぁは同時に親友と恋人を無くしたんやから・・・だが、策士な俺はそんな雅の心の隙に付込んで、ちょっと喋るただのクラスメイト→親友→恋人になる決意をした。
親しくなるには、放課後も!!って事は、まずは一緒に下校やッ!と思ったが・・・もう気まずくて俺らのクラスには来れないと思っていた問題の人物、龍一が雅ぁを迎えに来た。
雅の様子も明らかに変だった。
龍一を見て怯えてる?
タイミングを逃した俺はそのままズルズルと歳月を無駄に得て二年生に、クラスは今年も雅と一緒やった。
神さん!おおきに!!
ついでに言うと俺の雅ァ観察は今も健在!
んでこの一年見てて思った事。
その1、雅は龍一といる時辛そうな顔をするようになった
その2、でも何故か一緒に行動する
その3、暗い顔して悩んでいる事が多くなった
その4、日を増すごとに色っぽくなってきている
って感じやな!
んで俺は小池の悪口で盛り上がるクラスメイトにキレて出て行った雅ぁの後を追い、まずは親友のポジションを目指し奮闘中で今に至る。
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教師やクラスメイトに雅の早退を告げた俺は、教室に行き雅の鞄を取る。
雅がいつも持っている鞄かぁ~、いつもこの辺りを握って登下校するんだよなぁ、と、俺も鞄のソコをニギニギする。
何かドキドキするわ~・・・って俺変態かッ!!一人ツッコミ久々にやったが、やっぱ虚しい。
よっしゃ!プリンセスの待つ保健室に戻りますかい!
俺は笑天の曲を鼻歌に今来た廊下を戻る。
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