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今ならわかる
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淳が今までこの部屋にいた
淳がさっきまでこのベットの上にいた
淳がいた部分に俺はそっと指を伸ばしシーツを触ってみる
そして淳がキスしてくれた自分の唇にも触れてみる
夢みたいだ
今でも心臓がドキドキする。
苦しいけどとても幸せな鼓動
俺のバカみたいな片思い、この気持ちは一生片思いのままで終わってしまうのだろうけど、それでも構わない。
そばに居れるだけで良いから
俺はベットに転がり枕をギューーーッと抱きしめた
--ピンポーン
その時、呼び出し音がなった
「淳の奴、忘れ物か?」
先程の気まずさも少しあるけど、俺はまた淳に会える喜びで心が弾む。
軽い足取りで階段を降りると玄関のドアを開けた
「忘れ物か・・・・・ぁ」
玄関の前に立っていたのは・・・龍一だった
「忘れ物?何の事?」
俺がドアを開けると龍一は勝手に玄関に入ってきて後ろ手でカギを閉めた。
今の時間、俺の両親が仕事で留守にしている事も幼馴染の龍一は熟知している
龍一が正面から俺に抱きつく
強く抱きしめた龍一は俺の顔を覗くと今度は俺を抱き上げて階段を上り俺の部屋へ移動した。
そして俺はベッドの上にゆっくりと降ろされた
「雅人、大丈夫?」
横たわる俺に跨っている男が言うセリフじゃないと思う。
「大丈夫だよ、ちょっとした貧血だからさ」
俺を上から見下ろす龍一の目をみて言うと、龍一は俺の頬を手の甲で撫でる
「そっか。ねぇ、雅人。忘れ物って何?俺以外の誰かがこの部屋に来ていたの?・・・誰?」
俺の頭のサイドに指を差し入れ頭を撫でるように髪をとかされた。
手つきは優しいけど龍一の目がひどく冷たい
「あ・・・クラスの人に家まで送ってもらったんだ」
俺はあえて淳の名前は出さなかった
龍一は口元だけ笑って俺の胸元を指でなぞる
「そう、じゃあ・・・お礼を言わなきゃ・・・俺の雅人をご親切にどうも有難うって」
「お礼?」
俺が訝しげに龍一の顔を覗く
「徳永・・・淳に」
「え?」
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