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覚醒 2
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「・・・龍一?」
ざわつくホームの上、俺の独り言は雑音にかき消された。
龍一はとても寂しそうな、泣きそうな顔をしていた
やっぱり龍一の態度が妙だ・・・いつもの積極性が無い。
力が感じられない
やっぱり変だ・・・龍一・・
どうしたのだろうか
俺は不覚にも家路に着くまでの間、龍一のことを考えていた
龍一の事が少し気になりつつも、家に付いて暫くゴロゴロしたあと部屋で宿題をしているといつの間にか日は沈み空は紺色になっていた
時計を見れば7時半になっていた。
軽く伸びをした時にベッドの上に置いていた携帯のメロディーが鳴り響く
俺は胸が高鳴った
着信メロディー設定をしているから曲を聞くだけで誰からかかってきたのか直ぐにわかってしまう
俺はベッドにダイブして急いで携帯を取って受話器ボタンを押した
「淳ッ!」
『雅ぁ~、急に電話してゴメンな。今大丈夫か?』
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
『いや、特に様はないんやけど雅ぁと喋りたかっただけや・・・迷惑か?』
「め、迷惑じゃない!嬉しいよ!凄く嬉しい!」
恒例となったテレビ電話
画面の淳に向かって俺ははにかむ。
淳も笑ってくれた
「それより今日は皆でカラオケに行ったんじゃなかったの?」
『あぁ~、あいつらムッチャかったるいから抜け出してきた。淳、淳って何やねん!』
「皆淳と居たいんだよ」
俺がクスクス笑いながら言う
『雅もか?』
「え?」
『雅ぁも俺と一緒にいたいか?』
「・・・」
『俺はあいつらとおるより雅とこうして喋っている方が何兆倍も楽しいで?』
「・・えっ?」
『ホンマやで?あいつらに使う時間が合ったら俺はもっと雅と関りたいねん』
淳は何気なく言っているかもしれないけど、そんな淳の言葉に俺の胸は熱く高鳴る
『雅こそ、龍一って奴と一緒やないんやな?今日もまた一緒に帰ってたやん?』
「あ・・・うん、喧嘩しっちゃたのかも」
『かもって何やねん?!そか、喧嘩したんか~♪』
「何で嬉しそうにしてんだよ?」
『あ?私情や私情。気にせんといて』
「・・・う~ん、解ったぁ」
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