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金曜日14
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「龍一とは小さい頃からの幼馴染だった」
家が隣同士で小学、中学と一緒だった事、ずっと親友だった事・・・
龍一との綺麗だった過去を思い出し、俺は穏やかな気持ちになっていた。
「昔の龍一は女の子みたいに可愛くて、それでよく~・・・」
幸せそうに龍一の事を話す俺を見て淳は詰まらなさそうな顔をしていたが、相槌をうって話を促してくれた。
淳に話しながら、俺自身が楽しかった思い出にトリップしてしまう。
昔話をしている今の俺はきっと顔が緩んでいるんだろうな。
だが、話を進めるうちにこの気持ちは重く辛いものへと変化していく。
高校生になり、俺に彼女が出来た時の話をした時だった・・・自分の声が震えだした。
それでも全てを話すと決意した俺は深呼を吸した後に、話を続けた。
俺の緊張に気付いた淳は心配そうに俺を見ていたが、ただ黙って俺の話を聞いてくれていた。
そして、話しはあの場面へ・・・俺が始めて龍一に犯されて・・写真を撮られた事も全て話した時だった。
-バンッ!!
「!!?淳・・・?」
淳は苦しそうな顔をしてコタツ机を無言で叩いた後に、拳を握り締めていた。
「ゴメン淳・・気持ち悪い話をして・・・」
「ちゃう!違うんや・・ゴメン雅、話している雅の方が辛いはずやのに・・ごめん・・続けてくれ・・・雅の全てが知りたいんや・・」
「淳・・・」
「ただ・・・その後の展開を想像すると、死にたいくらい悔しいんや、しんどいんや・・・雅・・その写真をネタにされて何度も・・・アイツに・・・犯されたやろ?」
「・・・・」
その通りだった。
淳は歯を食いしばりながら俺を見た後、下を俯いたまま言葉を発した。
「雅は元々、異性愛者や!何度も、無理やりアイツに犯されて苦しんでいたんやろ!?あんなヤツに雅の身体を開発されて・・・、死ぬほど悔しい!!憎い!」
淳は自分の手が白くなるほど拳を強く握り締めていた。
「あつし・・・」
俺は何て声をかけて良いのか解らず、黙り込んでしまった。
「龍一も憎いが、俺自身が一番許せへん!・・・俺はッ!小池真理子と別れた後の雅の異変に気付いていた。龍一と居る時の雅の表情が急に変わった事にも気付いていた!・・・あの時から雅はずっと苦しんでいたのにッ!・・異変に気付いていたのに俺は雅を助けてやれへんかった!!」
苦しそうに震えながら叫ぶ淳を見て俺は泣きそうになった。
「淳・・、淳が気を病む事なんて無いんだよ。ありがとう、俺は大丈夫だから・・・ネ?」
強張り過ぎて震える淳の拳を優しく両手で包んで落ち着かせようとした。
「・・・に・・が・・・」
「え?」
「何が大丈夫やねんッ!!?」
「!!?」
急に強く腕を引かれ、俺は淳に強く抱きしめられた。
「あ・・あつし?」
「こんな壊れそうなくらい華奢な身体に・・・あんなに激しく・・許せへん」
「淳・・・苦し・い」
力いっぱい俺を抱きしめる淳の表情は伺えなかった。
ただ、強く強く抱きしめられる
「全然大丈夫やない!・・・俺が大丈夫や無い!!大切な雅を無理やり抱いた龍一が許せへん!!雅ッ!俺ッ・・・」
身体を少し引き離し俺の顔を真っ直ぐに見た。
淳の琥珀色の瞳に俺が映ってるのがはっきりと見えるくらい至近距離で、真っ直ぐに視線を合わす。
俺の瞳にも淳が映っているのだろうか・・・?
真剣な表情の淳が再び口を開いた
「俺、雅の事が・・・好きや!友達としてでは無く、恋愛感情をもって雅の事をずっと想ってた。ずっと見ていた。」
「・・・・え!?」
「好きや!」
淳の瞳に映る俺は目を見開いていた。
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