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3年後のソーダキャンディー*
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「一緒に食おうぜ?」
「はは、そうだな。食べよう。」
そう言って俺たちはパッケージの袋をあけて食べ出した。
「航太、今日は来てくれてありがとうな。俺……実はさ、3年もまったく連絡がなかったからもう来ないかと思ってたんだ。」
「……約束しただろ、絶対会いに来るって。それに、そろそろお前が寂しくて泣いてるんじゃねーかと思ってさ。」
航太の言葉に俺は目を見開く。
実際、俺はこの3年間最初はうじうじしていたものの、意地になってあまり航太のことを考えないようにしていた。
でも、考えないようにすればするほど苦しくて。
最近は風呂場でたまに………その……泣いてたり、したわけだ。(大学生にもなって恥ずかしいから誰にも言えないがな!)
「どうだ?当たってるだろ?」
「……っ……!」
航太が笑う。
3年前と全く変わらない、俺の大好きな笑顔で。
それを見たら、恥ずかしいとかそういう感情、どうでもよくなってしまった。
「さすが、俺の一番の理解者だな。」
だから俺も、お前が一番好きだと言ってくれた笑顔を返す。
ソーダキャンディが溶けて、また俺の指を濡らしていく。
これはお姫様や王子様のよくあるハッピーエンドとは少し違った、暑い夏のお話。
--end----
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