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片影3
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そのまま碧は一言も口を聞いてもらえずに引っ張られるように誰も居ない保健室へ連れて来られた。
桐生は乱暴にベッドを仕切るカーテンを開けると、碧をそこへ突き飛ばす。
「…ぅ…っ!」
いつもと違う強引な態度にどうしていいのかわからず碧は為すがままに従う。
怒っている…?
病気ではないのに心配をかけたから?
だとしたら何故保健室へ来たのかがわからない。
とにかく何か自分が桐生を怒らせるような事をしてしまったのは確かなのだ。
冷たい表情をしたまま自分を見下ろす桐生にとにかく謝ろうと碧は縋りつく。
「…せ、先生、………あの…ごめんなさい……俺………」
何が逆鱗に触れたのかわからず言葉に詰まってしまう。
今まで桐生に謝罪をする時は明確な原因を桐生が示してくれていた。
碧はそれに従って謝ってはいたが、こういうケースは初めてでうまく言葉を続けられない。
しばらくの沈黙が続き何も紡ぎ出せずにいる碧を桐生は冷めた目で見つめていた。
「……ごめん…なさい……」
とにかく許して欲しくてもう一度そう呟くと、桐生の形のいい眉がぴくりと動いた。
「…それは何か謝るような事をしたという自覚があると受け取っていいのかな?」
低くいつも心地のいいはずの声が今は冷たく刺さる。
「…………はい…すみませんでした…」
仮病気のような真似をしたことにしろ、とにかく桐生に対して悪いことをしたはずなのだから…多分そうなのだろう。
碧は桐生の機嫌が欲しい一心で頷く。
「へえ?僕に悪いことしてるってわかっててやってたのなら、それは僕を怒らせたかったという事?」
桐生が腕を組んで眼鏡の縁を押し上げる。
「…ち、…違いますっ…!」
それは違う。
そんなつもりなんかない。
「おかしいね、碧…君は矛盾しているよ」
相変わらず桐生の声は冷たい。
「怒らすつもりがないのならしなければいい」
今桐生がどんな表情をしてるか気になるが、逆光になっていてよく見えない。
言葉遊びをしているのか、いつもの面白がっているような揶揄か、それとも本当に憤慨しているのか…。
碧は何て言っていいのかわからず黙ってしまった。
確かに桐生の言ってることは正しいが、悪気は無かったのだ。
しかしそんな自己弁護など桐生相手に碧が出来るわけもなく、桐生の突き放すような冷たい怒りに為す術がなく今にも泣き出してしまいそうになる。
桐生をこれ以上失望させたくなくて涙は堪えようと碧はベッドの薄いシーツを握りしめた。
どうしよう。
…怒らせてしまった。
どう謝ったらいい?
先生に嫌われたくない…。
碧がぐるぐるとそんなことを考えていると、
桐生が腰を落としベッドに横座りをしている碧と同じ視線に降りてくる。
やはり表情は冷たい。
「……いいよ。言い訳を聞いてあげるよ」
「先生…!」
自分の話に耳を傾けてくれるという桐生の言葉に、碧が鼓舞した刹那、電気が走るような痛みが碧を貫いた。
「…っい!?っああぁっ!!」
桐生の指が碧の隆起もしてない胸の小さな突起をシャツの上から強く捻り上げていた。
碧は突然の激痛に身構える間もなく悶え苦しむ。
しかし桐生は碧に悲鳴を上げさせても尚、更にそこを強く締め上げた。
「ぁあ!ぃ、あいぃっ!やっ!ああ!」
碧は背を突っ張らせ痛みにしなる。
「碧…僕を怒らせてどうしてもらいたかったの?」
耳許で妖しく桐生が囁く。
「あぅっ!…ちがっ!」
碧はブンブンと首を振って痛みから逃れようとする。
あまりの痛みに桐生の手を跳ね退けてしまいそうになるのをギリギリの理性で抑え、シーツを握り締める。
堪えていた涙が生理的な涙となって一筋零れた。
「さっきから違うとごめんなさいばかりだね、碧?」
小さな器官を爪で千切ってしまいそうな程摘まんでギチギチと捻る。
「ぅあああっ!!」
その痛みにはなんの官能もない。
ただの純粋な暴力を桐生は碧に与えた。
「こんな薄いシャツ一枚で歩き回って…誰かにいやらしい事でもして欲しかったの?」
桐生が何を言っているのかわからない。
痛みに半分以上思考が持っていかれて、桐生の意としていることが理解できない。
「…なん…で?!ちが、っ!…ほんとっ、に!…ちがうっ!…くっあぁ!」
逃がすことの出来ない苦痛に身体が震え出している。
「それとも…わざわざ僕が見ている前で顔を赤くして同級生に抱き締められてみて…お仕置きしてでも欲しかった?」
今度はもう片方のそれを桐生はいたぶる。
何も刺激を受けていなかったそこに鋭い痛みをねじ込む。
「ぁうああっ!いっ!ちがっ!やめ、おねが…いっ!!」
そんなことしていない。
そんなこと望んでいない。
「どこが違う?後ろから抱かれて髪を頬を撫でられて、頬を赤らめていたよ、碧は」
違う!
「彼のことを聞かれて答え辛そうにしてたじゃないか」
そんなの誤解だ!
「病気でもないのにあんなに発情したような顔をして」
違う、俺が赤くなったのは…!
「…ちが…ぅ、せん…せいっ、…っせんせ、いに!!」
碧の精一杯の叫びに桐生の手が一瞬止まった。
「僕に…何?」
痛みに緊張していた力が抜けて、ひゅっと喉が鳴った。
途端に大粒の涙が溢れ出す。
「…っ!…せん、せいに…っ…ドキドキ…してっ!…っうああああっ!」
碧の言葉の途中で再び桐生の指が碧を嬲り始める。
「僕にドキドキして?………続けて、碧」
泣きたくないと思うのに震える声は徐々に涙声に変わってしまう。
「せ、先生がっ…図書室に、来てくれてっ…嬉しくて…顔を見たら…っ!赤くなって…でも、恥ずかしいからっ……ぅっあっ!…」
嗚咽が邪魔して上手く話せない。
それでも桐生が話を聞いてくれる内に話さないとと焦るが噎せてしまって言葉にならない。
「続けてよ」
言葉が留まってしまうとまた胸を痛くされる。
「…っい!…いっああああっ!!!」
桐生は拷問の手を緩めずに薄い笑みを浮かべてる。
「恥ずかしいから深田くんに抱き締めてもらったの?」
「ちが、っう!」
碧は息も絶え絶えに桐生に訴える。
「…っ信じて…っ!…せんせ、いっ!…」
泣きながら苦痛に必死に耐える碧に桐生が微笑む。
「信じない」
桐生は碧の胸の両方の突起を力一杯捻り潰した。
「ああ!くっ…ぁああああっ!!」
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