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贖罪5
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顔を赤らめた深田は黙ったまま、碧も何も言い出せずに気まずい時間がしばらく続き、体温計のピピピという小さな電子音が沈黙を破った。
「37.2℃…ちょっと高いけど心配するほどじゃなさそうだな」
体温計を受け取った深田が呟いた。
「う…ん…」
相変わらず碧の息は浅い。
「…もし辛いなら…送って行くけど…」
目尻を染めた深田が碧をまっすぐに見ている。
碧は後ろめたさで目を合わせていられず俯いた。
「…だ…大丈夫…少し…したら…落ち着く…から…」
息を乱しながらそう答える碧の様子に、深田は焦れたように咳払いをひとつした。
「………なんで……そう言い切れるんだ?」
「…え…?」
深田の熱っぽく真剣な表情に戸惑う。
「月島は…今までもこんな風に…なったことあるのか?」
「?」
どういう意味?と聞く前に、深田が力強く碧の両肩を掴んだ。
「ぅあっ!…っ!ん…っ!!」
碧の身体がビクビクと痙攣して跳ねる。
肩を押さえられ身体を捻る様に腰を沈められ、グリグリと後ろが刺激されている。
「………」
深田はそのまま黙って碧の二の腕を掴み直すと前後に揺すり始めた。
「あ?!…っあ!ぃ…あ!や…っ!だっ…!あ…んっ!」
今の碧にとってどんなわずかな刺激も甘い快感に変わっている。
辛うじて首を振り否の意志は示しているものの、腕を軽く揺すられただけで、碧はまるで情を交わし合っているかのような声を上げて蕩けてしまいそうになる。
深田が再び喉を鳴らした。
「…どうして…揺らされて…そんな風に…なるんだ…?」
手を止めて深田が涙に濡れる瞳に問う。
碧はヒクヒクと短な呼吸を繰り返すだけで、快感に震える身体を制御出来ないでいる。
「……胸も…いつも…そんな…なのか…?」
「っ!」
胸と言われてさっき見られた赤い先端が頭を過る。
「や…っ!…ふか…だ…っ…!」
もう手を離して欲しいと伝えたいのにうまく口が回らない。
深田は碧の両腕を掴んだまま、熱に浮かされているような目で呟く。
「…今の…月島は……まるで…………」
「まるで……何みたいなのかな?」
……!
深田が言葉を紡ぎ終える前に、白いカーテンが空を切り、聞き慣れた美声がそれを邪魔した。
「…っ、桐生先生っ!?」
桐生の登場に驚き、深田の手が碧から離れる。
「月島くんが苦しそうなのに、そんなに虐めちゃ可哀想だよ」
にっこりと笑うその目の端に何か鋭いものを宿す。
「いじっ…!…、……すみま…せん……」
何か言いたそうにする深田を視線ひとつで黙らせて、桐生は碧を覗き込む。
「月島くんずいぶん辛そうだね、ご両親には電話しておくから僕の車で送ってあげるよ」
優しく微笑む桐生にほっとして碧の瞳に涙が滲む。
「…もう少し我慢出来るね?」
碧は頷いた。
本当はこれ以上の我慢はどうにかなってしまいそうな程辛い。
しかし待ち望んでいた優しい桐生の言葉に碧は、文字通り涙が出るほど嬉しかった。
「深田くんご苦労様だったね。月島くんは僕が責任をもって送るから、君はもう帰りなさい」
有無を言わさず話を終わらせて、桐生は深田の肩を叩く。
「……、…はい…わかりました…」
深田は複雑な表情をしたまましばらく鞄の持ち手を固く握り、そのまま碧の顔を見ずに走り去る様に部屋を出た。
その後ろ姿に申し訳なさを感じるが、今の碧はまともな言葉を持っていなかった。
「少し待っていなさい」
桐生は深田の後を追うようにベッドから離れる。
「…っ……は…」
碧はベッドに一人になり、横にぐったりと倒れた。
深く貫かれて腹が苦しい。
しかしそれ以上に長い時間焦らされ続けた身体が悲鳴を上げている。
カクカクと四肢が震え、後ろから断続的に快感に痺れさせられ爆発寸前の性器がビクビクと跳ねている。
すぐに触れて昇りつめたいが、桐生の存在が碧を踏み止まらせていた。
「言いつけは守れたかな?」
いつの間にか戻った桐生がカーテンに手をかけている。
苦しそうに眉を寄せた碧の瞳に爽やかに微笑む桐生が映る。
「…せん…せ…い…っ…」
碧はすがるような気持ちで手を伸ばす。
「ふふっ…とても苦しそうだね、碧」
桐生は碧の伸ばした指先をそっと手に取る。
それが嬉しくて碧はまた桐生の名を呼ぶ。
「早く楽になりたい?」
それより桐生の温もりが欲しかっただけだったが、楽になりたいという気持ちはもちろんある。
碧は質問に答えずただ桐生の手を握った。
「じゃあ…ちゃんと出来たか見せてごらん?」
桐生がすっと碧の手を離した。
「?」
「自分で毛布を取って碧の恥ずかしい姿を僕に見せて」
いつもの桐生の声に熱い息が漏れた。
試されてるという緊張感とやっと解放させてもらえるという期待感、そして羞恥心。
それらが入り乱れて碧は高揚した。
「大丈夫だよ、ここの鍵は閉めてきた」
白衣の胸ポケットから保健室と書かれたキーホルダーの付いた鍵を見せる。
「もう誰にも邪魔されないから安心しなさい」
碧は胸を締めつけられる興奮に声を震えさせた。
「……は…い…」
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