アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
海斗side.
-
俺にとっての一生は一秒にも満たない。
ドキドキとうるさい心臓の音、熱く火照った頬と耳。
死にそうなくらい、息が苦しい。
「え、うん、そのつもりだけど」
そんな緊張感たっぷり(俺だけ)の空気を打ち消したのは、キョトンとした顔のをした昴の声。
(昴side.)
「・・・・は?」
「ん?」
驚いたような、困ってるような。そんな顔。
「・・・・・・・・・・・・・・はあああ!!!?」
誰もいない住宅街に、その声が響く。
「しー」と言いながら、自分の口元に人差し指を立てる。常識的に考えて、近所迷惑だ。
だけどまあ、海斗にとってはよほど驚くことだったんだろう。だってさっきから、手が震えてる。
「うそ、は、なんで!?」
「なんでって」
「だってそんな話、一回も・・・!」
「わかってると思って」
「わかんねーよ!」
そう言ったあと、海斗はしばらく黙り込んで、突然泣き出した。
多分、気が緩んだんだろう。
「嘘・・・だって、俺・・・」
「海斗?」
絡まった指が解け、ゆっくり、ゆっくり、僕の背中に移動する。
胸元に顔をうずめた海斗が、震えた声で話し始めた。
「卒業、したら・・なかなか会えなくなんのかと、思ってた」
ぎゅう、と。制服を握り締め、シワを作る海斗の手。
僕よりも小さな、そのからだ。
「・・いいの・・・?」
サラサラな髪を撫でる。
僕を見上げるその潤んだ瞳を、みつめる。
「俺っ・・・家事、とか、なんもできねえけど・・・」
みつめる。
微笑む。
「ぁ・・・朝、起きんのもっ・・・遅いし、嫌いなもん、も・・・多いし、」
微笑む。
「・・でも、ごめん。ごめんッ・・・!」
微笑、む。
「一緒、にいたいッ・・・・!」
抱きしめる。
「海斗が傍にいないと、僕が生きていけない」
(僕がいないと生きていけない体にしてあげる。)
「ッ・・・ぅ、ん・・・っ」
君が頷く。
顎に手をやって、その唇にくちづけをした。
まるで呪いだ。
君が僕から離れられないよう、
君を僕に、縛り付ける呪い。
好き、
好きなんだよ。
何があったって、離したりしない。
許さない。
君が僕から離れること、僕は永遠に許さない。
「あいしてる」
絶対に離さない。
「父さんと海斗の両親には承諾済みだよ」
「いつの間に!?」
ずっと、一緒にいようね?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
142 / 147