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海斗side.
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「っ・・・・ごめん、昴」
謝ったって、もう遅い。
俺、が。
俺が、悪いのに。
俺が、いなければ。
存在しなければ。
昴は、こんな痛い思いしなくて済んだんだろ?
大事な人を、傷つけるなら。
傷つけてしまうなら。
こんな気持ちに、なるなら。
「っ・・昴、ごめんっ・・・・!」
俺はどうして、存在してるんだろう。
「海斗、」
「ごめん。ごめん、昴・・・・っ」
「かい、」
ガチャッ
「入るぞ、早坂」
白いドアを開けたのは。
俺を、一瞬だけ救ってくれたのは。
前に俺が泣いて嫌だと拒んだ張本人だった。
(藤間side.)
聞いてられなかった。
あいつが、自分を責めるのを。
黙って聞いてることなんてできなかった。
苛々したんだ。
どうして、って。
俺は、あいつを笑わせることすらできないのに。
どうして、あいつは・・・・・佐伯は。
好きになってもらえたくせに。
愛してもらえたくせに。
いっぱい笑わせてもらってたくせに。
幸せにしてもらったくせに。
俺ができないこと、してもらえないことを。
佐伯は、してもらってたくせに。
なんでそんなお前が、早坂を不安にさせんだよ。
苛々する。
苛々する。
喉の奥がぎゅっと詰まって。
胸はぎちぎちと痛くて。
鼻の奥が、ツンとする。
苛々する。
あいつを不安にさせんのは、いつも俺だったのに。
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