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藤間side.
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「君が藤間くん?」
「そー。これからよろしくな?生徒会長さん」
生徒会に入れた俺に、真っ先に挨拶にきたのは早坂だった。
噂と同じように、無表情、無愛想、死んだ魚のような目。
それでも、綺麗な顔。
声は低く、抑揚が無かった。
「僕のことは名前で呼んで良い。僕も君を名前で呼ばせてもらうから」
そう言った早坂に驚いた。
(なんだよ、こいつ。結構可愛げあんじゃねぇか)
表情ひとつ変えないで接してくるからもっと愛想がないのかと思ってたけど、そうでもないらしい。見た目が難いだけで、中身は柔らかいのかもしれない。
「とりあえず今日の会議に出てくれるかな。他のメンバーにも早く挨拶を済ませてほしい」
「おー」
「・・・ねぇ」
「あ?」
上目使いで見てくる早坂。
そうか。俺、こいつより背高いんだな。少ししか変わんねぇけど。
そんなことを思っていたら、早坂の手がこちらに伸びた。
「耳、痛くないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
何をされてるのか、すぐに分かった。
不覚にもキュンときた自分を全力で殴りたい。
早坂がピアスだらけの俺の耳を触っている。
「え、い、や、べつに・・・」
「・・・そう」
驚きすぎて少しどもった。
だけど早坂は気にも留めず、まだ耳を触り続けてる。一体何がしたいのか。
触っている間も、早坂は無表情で。
何を考えているのか、全然わからない。
「なんだよ」
「べつに」
「じゃあ離せ」
「・・・・痛そう」
「痛くねぇって」
「なんで開けたの」
「あ?なんとなく」
そう答えると、早坂は目を細めた。
「君は仮にも生徒会に入ったんだから、せめてピアスは外してきてよ」
「塞げとは言わないんだな」
「べつに。開ける開けないは個人の自由だ」
「ピアスつけてくるかも個人の自由だろ」
「それは僕が嫌だからだめ。まぁ、言ってもピアスを付けてくる奴はいるけど」
「なんで嫌なんだよ」
「君がピアスを開けたのと同じ理由」
つまりなんとなくってことか。
抽象的な物言いと少しの我侭。
それがさらに俺の中の欲を増幅させた。
早く、こいつを泣かせたい。
好きでもなんでもない男に抱かれた時、こいつはどんな泣き方をするのだろうか。
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