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藤間side.
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「・・・・・・」
「・・・・っ、」
しばらくの間。
早坂は少しも抵抗することはなかった。今だって素直に押し付けられてるし、このまま犯しちまおうかとも思ったけど、俺も俺で体が動かなくて。
だからしばらく沈黙に耐えていたのだけれど。
「・・・・・・・君は、」
早坂の掠れた声が聞こえたから、耳を傾けることにした。
「君は、僕と似ているね」
早坂の目は、どこか遠くを見ていて。
「君は僕と同じだ。
・・・弱くて、ずるくて・・・・・・
独りだって、思ってる」
独り?
いや、んなわけねぇじゃん。
確かに仲間も友達もいねぇし、
家族はいるっちゃいるけど家族だって思ったことない。
それは俗に言う”独り”かもしれないけど、俺とヤリたいって男は山ほどいるし。
一応、必要とされてるし。
独りじゃねーし。
「僕も綺麗事は嫌いだよ」
ほら、お前も嫌いなんじゃねぇか。
だったら言うなよ。
言わないでくれよ。
「でも、綺麗事は”綺麗”だから綺麗事なんだ」
違ぇよ。
なんでだよ。
綺麗事は、汚い奴らが言うだけのただの自己満だろ?
そうでしかないだろ?
「”綺麗事”が嫌いなんじゃ、ないだろ」
嫌いだよ。
「”綺麗事”を汚いと思う自分が、嫌いなんだろ」
・・・そうだよ。
俺は俺が嫌いだよ。
綺麗なものを綺麗だって認めらんねぇ自分が、一番汚いって。
そんぐらい知ってんだよ。
だから嫌いなんだよ。
”汚い”自分には、なりたくねぇんだ。
一緒にされたくねぇんだ。
汚い奴らと、一緒にされたくねぇんだよ。
なんも知らないくせに、ベラベラ綺麗事喋るような奴と。
ただの自己満で綺麗事喋るような奴と。
知ったかぶってる奴と、
一緒にしないで、くれよ。
だから俺は今まで、道を外れてきたんじゃねぇか。
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