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藤間side.
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やめろよ。
やめてくれよ。
これ以上、俺を汚い奴にしないでくれ。
「・・・・・・・藤間」
なぁ、頼むよ。
お願いだから、もう、何も。
「・・・君は、綺麗だよ」
「・・・・・・・は?」
じりじりと、
目頭が熱い。
「君は、綺麗だ」
「・・・・・・」
「綺麗事が綺麗だって知ってる君は、
眩しいくらい、綺麗で」
「・・・・・」
「そのせいで犠牲になった君は・・・・・
君の中の、君は。
羨ましいくらい、綺麗だ」
「・・・・・・・っ!」
あぁもう、馬鹿だ。
ペラペラと寒いこと言ってんじゃねぇよ。
鳥肌が立ちそうなくらい寒い早坂の言葉。
正直、それが正しいのかはわからない。
それでも。
「っ・・・・・・・、」
早坂を押さえつける手の力を緩めてしまうくらい。
少なくとも、それくらいは、嬉しい。
「・・・・・・・・・・藤間」
起き上がって、俺に向き合った早坂が。
まるで泣いてる子供をあやすみたいに、俺を抱き締めるから。
「一人だって、思っちゃだめだ」
あんなに嫌いだった、早坂の綺麗事。
それが今は嘘みたいに俺の中に溶け込む。
「一人だって感じてる奴は、どう足掻いたって独りにしかなれないから。
・・・だから、独りだって、思わないで」
俺はまるで子供みたいに。
渇ききってると思っていた涙を、思いっきり流してみせた。
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