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海斗side.
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体が宙に浮いて、柵から解放されたようだった。
軽い。全てが、軽い。
俺は今、初めて。
自分の意思を持てたような気がした。
俺は、昴が好きで。
好きで、好きで。大好きで。
手放したく、なくて。
譲りたくなくて。
昴がいれば俺はもう他に何もいらない。
男同士だからなんだって言うんだ。
同性愛者だから、なんだって言うんだ。
俺は、男だけど。
昴も、男だけど。
だけど、それ以前に。
俺は、俺と言う人間で。
それは、昴も同じで。
そこに、同姓もなにも、無いだろ。
関係ないだろ。
俺は昴がいれば、それでいい。
昴が俺を好きでいてくれれば、どう思われたっていい。
周りから気味悪がられようと、遠巻きに見られようと。
昴が、手を。
手を、繋いでいてくれるなら。
俺はもう、何もいらない。
俺は、周りの人を巻き込まないと。
傷つけないと、こんなことにも気付けないのかと思うと、胸が痛む。
だけど、それでも。
昴が好きだって、心から思えた。
だから俺は、感謝しなくちゃいけない。
俺に巻き込まれた全ての人に。
感謝の気持ちを、伝えられるとしたら。
それは、自分の意思を貫き通せた時だろ?
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