アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3.
-
幸せ。
幸せだと、思う。
感じる。
海斗の体温が感じれること。
海斗を、
好きだと思えること。
そして、幸せだと、浸る一方で。
自分を責めた。
「ごめん・・・ごめんね、」
なぜ、
どうして。
海斗を一人にしようと考えたんだろう。
どうして、海斗から離れようと思ったんだろう。
どうして、
どうして、
どうして。
色んな疑問符が頭に浮かぶ。
それはぐるぐると回って、罪悪感だとかを膨張させた。
「ごめん・・・・・、」
ぎゅ、と強く抱き締めた細い体。
僕よりも細い腰、細い腕、細い足。
僕よりも、小さい人。
こんな人をどうして置いていこうとしたんだろう。
「・・・・・・昴、」
耳元で、僕を呼ぶ声。
それだけでも幸せだと、そう、感じた。
「いい・・・・、俺は、」
ぎゅう。
強く強く抱き締めてくれる、二本の腕。
「お前が・・・・昴が、俺を思い出してくれたって、だけで・・・・・
それだけで、十分幸せ」
まるで、”今”を噛み締めるように。
”今”の幸せを、
僕が、海斗のことを思い出したっていう、事実を。
僕と海斗が、想い合ってる現実を。
それ以上の幸せはないと言うほど、幸せそうに、嬉しそうに震えた声で。
あぁ、
あぁ、海斗。
「僕を好きでいてくれてありがとう」
君は、相変わらず綺麗だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 147