アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
海斗side.
-
「あ、あ゛!」
「うるせぇ、声でけぇよ」
熱を持った息を吐きながら、そんなことを言われる。
菊地はゲイではなく、ただ男とヤリたいってだけの奴。
そんな奴に、俺と昴の関係を知られ、今に至る。
いつ知られたのか、見られたのか。もしくは誰かに聞いたのか、それならそれは誰なのか。
そんなことはわからない。
いや、そんなことは、どうだっていい。
こんな奴に俺と昴の未来を壊されることが問題なんだ。
「い、痛い!痛、い゛ッ!」
「キッツいな・・・おい、もっと力抜け」
無理矢理押し広げられる後ろが痛い。裂けてるんじゃないかってくらいの痛みが襲ってくる。
そもそも慣らしていないそこに入ったとして、気持ちいいわけがなかった。
こいつに抱かれて気持ちよかったことなんてないけれど。
「あ゛、ッ・・・・!」
息が詰まる。
菊地のモノが全部入ったってことが、感覚でわかった。
「相変わらず勃たねぇ、なっ!」
「あ゛ぅッ!!」
言い終わると同時に、菊地が腰を打ち付ける。
突然のことに声を上げてしまったが、もうこれ以上声を出したくなくて、唇を強く噛んで耐えた。
それを見た菊地が舌打ちをする。
「なぁ、なんでいつも声出そうとしねぇの?」
「ッ・・・・・!、」
当たり前だろ。
好きでも何でもない奴との行為で喘ぐのは絶対に嫌だ。
「まぁいいけど。お前のナカ、すっげぇよ?俺のに絡み付いてくる。さすが、男とヤリ慣れてるって感じだな」
あぁもう、嫌だ、嫌だ、嫌だ!!
違う、そんなわけないのに。
俺は昴しか欲しくないのに。
なのに、口を開いたら声が漏れてしまう。
なのに、反抗したら壊される。
俺と昴の未来が。
昴の、大事な未来が。
それが怖くて反抗できない。
抗えない。
こんな奴にこれ以上抱かれたくないのに、
触られたくないのに。
『俺の言うことを聞いてくれたら、お前らのことは黙っといてやるよ』。
そんな、よくあるたった一つの台詞が。
一人の”人間”が言う、一言が。
そんなありふれた言葉が、こんなに力を持っていたなんて知らなかった。
自分がこんなに弱い人間だなんて、知りたくなかった。
こんな奴に壊されるかもしれないって、不安になる。
俺と昴が、そんなに脆い関係だなんて思いたくなかった。
「っ・・・・・・・!」
涙が溢れて止まらない。
ここは地獄か。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
56 / 147