アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
海斗side.
-
それから、鎮には放課後に話を聞いてもらうことにして、授業を受けた。
朝、昴よりも先に学校に来たから、休み時間に来るかと思ったけれど来なくて。多分、生徒会の仕事で忙しかったんだと思う。
今は昴に会いたくない。
会いたくないのに、会えないと寂しくなるのは、ここ数日昴に触れすぎたからだろうか。
・・・・それ、とも。
「・・・・っ、」
他の奴に触られた感触を、昴に消して欲しいと。
そう、願ってしまってるから?
(っ・・・・・・・だめだ、)
自分が選んでやったこと。
自分の考え。
だからだめだ。
~♪
携帯が鳴る。
制服のポケットからそれを取り、画面を開く。1通のメールが来ていた。
「っひ・・・・ッ!」
思わず携帯を落とす。
ガシャンッ!と大きな音を立て、携帯は床を滑った。
「どうしたの?佐伯くん」
近くにいた女子が驚いたように聞く。
「っぇ・・・あ、ごめ・・・・・」
震えが止まらない。
答えようと口を動かしても、どうしても声が出ない。
息が苦しい。
「は、あっ・・・・ハアッ、はッ・・・・・・!」
「? 佐伯くん・・・?」
「ハアッハアッハアッ・・・!は、ッ・・・・!ぐ、」
「佐伯くん!?」
女子の大声に、教室中の目線が俺に集中する。
コソコソと何か言ってる人もいれば、傍に来て何か大声で言ってる人もいた。
クラクラする。頭が痛い。
息が出来なくて、胸元でYシャツをくしゃくしゃに握り締める。
手と額には大量の汗が滲み、座っていることすらできなくて、隣で俺の肩をつかんで支えている女子に凭れかかった。
「ハアッ、ぅ゛、ッ!ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・!」
「佐伯くん!っ誰か、誰か先生呼んできて!」
「ハアッハアッ!ハッ、あ゛・・・!」
「佐伯くん!!」
もう俺、死ぬのかも。
昴のこと好きすぎて死ぬのかも。
さっきのメールは菊地からだった。また呼び出しのメールで、怖かった。
またあいつに抱かれるのかと思うと怖かった。
怖くて、怖くて。
昴に会いたくて。
「先生!佐伯くんが!!」
「佐伯!?どうした、何があったんだ!?」
「わかりません!いきなり、こんなっ・・・!」
あぁ、なんか。
大騒ぎになってるなー、って。
虚ろな意識の中で、そんなことを考えてた。
みんないい人ばっかだなあ。
だってほら、あんまり喋ったことない奴まで心配してくれてる。
いいよ、もう。
みんな、もういいよ。
俺のこと気にしなくていいから。
こうなったのは自分のせいだから。
それよりほら、みんな用事とかあるんじゃねぇの?
遊びに行ったり、勉強する奴もいるかな。あとはさ、デートとか。
あるだろ?みんな、それぞれ用事がさ。
だから、俺のことほっといていいよ。
そんな大事な時間割いて、俺の心配してくれなくていいよ。
みんな、いい人。
いいクラスメート達。
もう、いい。
いい人を巻き込むのは、つらいよ。
「 海斗、何してるの。帰るよ? 」
大好きな人の、声。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 147