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海斗side.
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何を言ったのかは、正直よく覚えていない。
自分の名前を言った直後から意識が飛んだ。
言おうとしてたこと、全部勝手に変更されたと思う。
口が勝手に動いたんだ。
だって、昴への想い全部全部、言葉にしようと思ったら。
とても予定通りになんて言えない。
的外れで、ありきたりで、下手くそで。
大事で大事で大事で。
好きすぎて。
どう言葉にしたらいいかわからないんだ。
(でも・・・・・・よかった、言えて)
はぁ、と。未だ忙しなく動く心臓を落ち着かせるように、息を吐いた。
でもここに長居するわけにはいかない。あんな放送を流したらすぐに先生達が駆けつけてくるだろうから、捕まるのはごめんだ。
少し焦り気味に、ガチャ、と放送室の扉を開ける。
鍵を閉めていると、かすかに人の声が聞こえた。
先生かもしれないと思い、走ろうと足を踏み出した。
瞬間、
「ッ!!?」
後ろから腕を引かれる。
驚いて声も出せずに、何かと思って振り向くと、頭に激痛が走った。
視界の端に手のようなものが見えて、「あぁ、殴られたんだ」と。
意識が途切れそうな脳で、そんなことを思った。
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