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海斗side.
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ガンッ!!
「いって!」
「え・・・・!?」
菊地の手が、俺のズボンの中に入り込もうとした時。
何かが壊れる音がして、薄暗かったそこに光が差した。
「海斗!大丈夫・・・!?」
「す、ば・・・・」
菊地の上に倒れている扉を持ち上げながら、昴が言う。
呆気にとられていた俺の目に、今にも泣き出しそうな昴が映って。
「す、すば、る・・・・ッ!」
両目からは更に大量の涙が溢れた。
(昴side.)
「海斗・・・海斗!」
「すば、る!」
扉を蹴破り中に入ると、菊地が背中を押さえながら海斗の上に覆いかぶさっていた。
大方、倒れた扉がぶつかったんだろう。ざまあみろ、なんて考えて、海斗の隣に駆け寄った。
「昴・・・・ッ、」
涙で濡れてぐちゃぐちゃな海斗。両頬が赤く腫れて、口端が切れている。
ふざけるな、ふざけるな!
「っ・・・・おい、菊地」
「・・あ゛?なんだよ」
「海斗から離れろ」
「っ、」
菊地の目が大きく開く。
自分が今どんな表情なのかわからないけれど、きっと物凄い顔をしているんだろう。男一人、青褪めさせるくらいには。
菊地はチッと舌打ちをして、海斗の上から退けた。
「海斗、大丈夫・・・?」
「あ・・・・だ、だい、じょう・・ぶ」
その返事に、一先ず安堵する。
海斗の頭を撫でて、手足を縛っているヒモを解こうと目線を移動させた。すると、
「・・・・・震えてる」
余程怖かったのだろう、海斗の手は大きく震えていた。
震えているそこにそっと触れると、少しずつ、少しずつ。震えが止まっていく。
あぁ、どうして。
「ごめん・・・もっと早く、助けに来れればよかった」
ヒモを解きながら謝る。
あぁもう、自分の無力さに呆れる。どうして、どうして。
どうして、もっと早く護れなかった?
「そうだな。お前がもっと早くここに来てりゃあ、佐伯はこんなことにならなかっただろうな」
「お前は黙ってろ・・・!!」
バキッ!!と音を立てて。
余裕そうに笑う菊地を、思いっきり殴った。
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