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昴side.
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「ッ!」
殴った拍子に菊地の体が倒れる。
大きな音を立てて、体を壁にぶつけた。
「・・・・・・何、お前」
ボソ、と呟いた。
・・・何、
何。
「・・・・痛ぇな」
何、その目。
「はぁ・・・・?」
菊地は確かに一瞬痛みに顔を歪ませた。
だけど、今は、
殴られたとは思えない、
憎悪が露になった、そんな。
そんな、目。
「ふざけるなよ・・・なんでお前が、そんな顔をする?」
「お前に言う義理は無ェ」
「っふざけるな・・・・・!」
ふざけるな、
ふざけるな。
お前がそんな顔をする理由はないだろ、
ない、
ない、
無いはずだ・・・・・!!
「っ昴!」
菊地の胸倉を掴む。
海斗の制止なんて聞こえなかった。
だめだ。
だめだ、
だめだ。
やめろ、
やめろッ!!
「言うな・・・・!」
言うな、
言うな。
なんとなく気付いてしまった、察してしまった。
それが、その、恐ろしいくらいの、それが。
当たってないといい。
「絶対に言うな!許さない・・・ッ!」
「ハッ!察しがいいな、生徒会長サン。なァ、佐伯」
チラ、と。
菊地が僕の後ろにいる海斗に目を向ける。
やめろ、やめろ!
「っやめろッ!!」
僕の声を無視して、口を動かす菊地。
「・・・・・・え・・・・・・・?」
あぁ、もう。
何も聞こえない。
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