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海斗side.
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「うぉあっ!!」
「きゃぁあっ!!」
バンッ!
と、何かが倒れる音と、大きな声。
何かと思って、そちらを見る。・・・・・・と。
「と・・・うま?」
「・・・よ、よぉ・・・・」
長い黒髪の女の人――――遠藤の下敷きになった藤間が、きまずそうにな顔を浮かべていた。
「えっ・・・なんで!?遠藤まで・・・」
「ごっごめんなさい!べ、べべべべべべつに盗み聞きしてたわけじゃっ、」
「してただろーが!つか退け!重いんだよクソデブ女!!」
「なっ!りょりょりょ陵くん!女の子にはそういうこと言っちゃいけないんですよ!!?」
「いいからさっさとよけろ!」
目の前で繰り広げられる言い合い。というか、珍しい組み合わせ。
遠藤は確か、気弱で、謝ってばっかだった気がするのだけど・・・藤間みたいな奴と言い合いできるほど、仲良かったのか?
・・ん?てか、
「”陵くん”?」
遠藤は藤間のことを名前で呼んでいただろうか。
気になって問えば、藤間は心底嫌そうな顔をして、遠藤はへにゃ、と笑って。
「お付き合い、してるんです」
幸せそうに言う遠藤。
それとは裏腹に、藤間は嫌そうに「うげぇ」と言いながら嘔吐するような素振りをした。
「・・・・え?え、遠藤・・・その彼氏さんがすっげー嫌そうな顔してるんだけど・・・」
「ふふっ、照れてるんですよーぉ、陵くんは恥ずかしがり屋ですから」
「もうやだお前」
「へ、へぇ~・・・・」
どうしよう、ついていけない。
なんかもうすべてのことについていけない。
幸せそうな遠藤と、両手で顔を覆って泣きそうな藤間。ずっと二人を眺めていれば、ずっと黙ってた昴が遠藤の目の前に座った。
「おめでとう。やっと実ったんだね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「はいっ!会長のおかげですっ・・・・!」
「ううん、僕は何もしてないよ。・・ありがとう、これで藤間の気持ち悪い視線から逃れられる」
「気持ち悪い!?おい早坂お前っ、そんなこと思ってたのかよ!?」
「本当気持ち悪かったよ。死ねばいいとさえ思ったよ。そのくせ海斗に手出すしどうしようかと思ったよ殺すだけじゃ足りないくらいだった今も盗み聞きしてたみたいだから殴ってやろうかと思ったけどそんなことしたら海斗に嫌われるかもしれないしね?」
「怖っ!お前のその佐伯への執着心なんなんだよキモッ!!」
待て待て待て待て待て!!!!!
「お前らなんなの!?」
「「「え?」」」
もしかしてこの状況についていけないのって俺だけ!?寂しいんだけど!?
「昴知ってたの!?」
「え、なにが?」
「遠藤と藤間のこと!」
「遠藤が藤間のこと好きなのは知ってたよ」
「俺全然知らなかったんだけど!?」
声を荒げる俺を見て、昴は「あはは」と眩しいくらいの笑顔で笑う。
「俺にも教えろよ!!ばか!!!」
なんだこの、仲間はずれにされた感じ。
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