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純太の恋3~R18腐二次創作弱虫ペダル手島目線
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カラオケの日からーは、何かと俺と一緒にいるようになった。
そういう位置取りで見ると、確かに古賀はいつもーを見ている。
俺と、同じ穴の狢?
あまりにも視線が合うので、話すべきときはすぐ来るだろう。
すぐ来た。
練習後、水場で頭から肩からジャブジャブ洗ってると、古賀の巨体が横に来た。
さすがに威圧感がある。
威圧感が口を開く。
「青八木を手放せ。おまえと違って、あいつはまだまだ早くなる」
「ズバリくるねえ。でも決めるのはあいつだ」
強がるが、本心は怖い。
俺はケンカもそんなに強くないから…
「OFFはおまえに貸してやる。躰が目当てのおまえには、それで充分だろ。俺は本気であいつをのばしたい。頼むから邪魔しないでくれ」
行こうとする背にむしゃぶりついた。
完全に我を失っていた。
図星だったから。
あいつが欲しい。
抱きたい。
けど俺は、我慢してる。
ちゃんと我慢してる。
なのに見抜いて、嘲笑って、ー連れてくと。
凡人の俺から奪うと。
てめえらはいつもそうだ。
でもな、でもな、俺にだって、なくしたくないものはあるんだ!
古賀の巨体に振りとばされて、馬乗りされて殴られ続けてるところにーが来た。
古賀を押しのけて、俺を引き起こす。
涙で顔がぐしょぐしょになってる。
俺が?
あいつが?
どっちだかもうよくわからない。
「純太、純太っ! 古賀のばか!」
ああ、声も泣いてる。
だからこそ、俺もちゃんと言わなきゃいけない。
「一。古賀と行け。あいつおまえの才能を、最大限引き出してくれるそうだ」
「!?」
「田所さんみたいに走れるようになるぞ。おまけに古賀には俺みたいな、ヤバイ下心ないから」
「純太…」
「おまえ気づかなかったの? おれおまえに下心バリバリ。おまえとヤりたくてヤりたくていっつもムラムラ…」
「やめろ!」
泣いたまま、ーが言う。
「信じないぞ俺。俺は、信じない」
「ほんとなんだよ一。俺ゲイだ。中学デビューしてるホンマモンの」
「もういい手嶋。自虐になってる」
古賀が俺を制した。
そして改めてーに言った。
「俺とトレーニングしよう。おまえめちゃめちゃ伸びる。今ならインターハイメンバーにも食い込める。やろう」
ーは答えない。
黙って首を横に振っている。
繰り返し、繰り返し、怯えたように首を振る。
そして、ついに結論を叫んだ。
「二人とも嫌いだあっ」
叫んで泣きながら走っていった…
残された俺と古賀はことばもなく、その場にへたり込んでいる。
互いにかける言葉がない。
「全く…」
「何つうか…」
そのまま沈黙が垂れ込める。
だがやがて、古賀は立ち上がった。
「俺は諦めないからな」
泥汚れを払いながら言い、立ち去った。
古賀はいいなあ。
それが言える。
俺は言えない。
言っちゃいけない。
俺はその場に再び仰向けに倒れ臥した。
後から後から溢れる涙を、右腕で隠し、俺は泣いた。
涙は全然止まらなかった。
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