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純太の恋4~R18腐二次創作弱虫ペダル手嶋目線
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親が出かけた昼下がり。
自分のモノと格闘する。
好きな女優、好きな俳優、それでもやっぱりあいつは出てくる。
金色の髪、不安の勝った目、おにぎりの具は梅干し、好きな歌は…
視界がぼやける。
まだ惚れてる。
どうしようもない。
自分の、こすってこすってこすって!
「一っ」
叫んで放つ。
かなり飛んだ。
俳優Fの時の倍飛んだ。
どうしようもねえ。
好きなんだからどうしようもねえ。
どうしようもねえ。
俺は階下へ降りた。
キッチンテーブルの上に紙。
合宿参加の申込書。
親の印が押してある。
ありがてえ。
俺、行っていいんだ。
一日早いけど現地入ろう。
荷物つくって宅配で送って、キャノンデールでこぎ出した。
箱根まで、何時間かかるだろ。
頭冷やすにはちょうどいい。
「よおっ。おまえも先乗りか」
でかい、だみ声。
肉厚の巨体。
憧れのスプリンター、田所さんだ。
「はい。でも今日って泊まれませんよね」
「うちの予約はあすからだからな。まあ、箱根だ。地元の湯浸かって、道の駅夜明かしでもいいだろ」
「はい!」
田所さん引いたり、田所さんに引かれたりしながらアップダウンをやり過ごす。
「おまえいがいと山に強いな」
「えーっ、俺、あくまでもオールラウンダー志望っすよ」
今泉みたいなクールな走りがしたかった。
誰も近くにいない単独行。
やつが自転車雑誌でよく言っている、『先頭が一番静か』ってやつ。
俺も一度は味わってみたい…
「ならもっと底力つけねえとな」
底力か。
それって努力で身につくものなのですか?
田所さんの大きな背中を追う。
こんなに近いのに、遠い。
遠い…
そのとき自転車の影が差した。
「せっかく田所さんが引いてくれてるのに、ついてかないのか?」
メリダ。
古賀だ。
どうして古賀が…
「あいつもいるぞ」
コラテック。
古賀のスピードについていけないながら、ふらふらと、自転車を揺らしながらついて来る…金髪。
俺を見て、ただなつこく笑みかけた。
「おまえと一緒がいいんだってさ。コーチされるより一緒に伸びたいんだと。でも、Hは絶対ヤだと」
俺はカアッと赤くなる。
一緒に走れる。
一緒にまた走れる。
それだけで、今は充分だ。
田所さんを追いかけて、古賀が走る、俺が走る、ーがコラテックでついてくる。
一緒に伸びよう、腐らずに。
俺たちはいつか風になる。
必ず風になる。
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