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独り咲く③~腐三次創作弱虫ペダルペダ今泉目線、今泉過去
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そう。
俺は弱泉だ。
御堂筋に言われるまでもない。
母さんが事故に遭ったと言われて信じたのは、信じる理由があったからだ。
あの日、母は体調が悪かった。
なのに父に言われて病院へ。
着替えを届けに行ったのだ。
着替えなんかコンビニとかで買えば済むじゃん。
俺が言うと、でもね…って。
妻がわざわざ行くっていうのがいいのよって笑った。
応援には後から行くから。
後から行くから。
母は来なかった。
母は車にははねられてなかった。
その代わり病院で倒れ、意識不明となってしまい、たった一週間でみまかった。
父のわがままが母を殺した。
父もそのことに気づいたのだろう。
毎日母を見舞った。
でもそれが、結局あの女の出現につながった…
俊ちゃんていうの?
私新しいお母さん。
仲良くしてね。
どういうのが仲良くかは、三日たたずにわかった…
追い出してやりたいけど、今の父は何か腑抜けたようになってて、俺の話をちゃんと聞かない。
俺は自衛するしかなかった。
いま、俺の部屋には鍵がかけられるようになっている。
以来死ぬほど自転車乗ってる。
初登校こそ車で行ったけど、小野田に出会って鳴子に出会って、高橋をわずらわせるのはやめた。
たまに高橋にからかわれる。
坊っちゃんのおかげで、病院への送迎往復六キロしか働かなくていい、楽な運転手になってしまいましたよ。
そんなことないんだ高橋。
あんたとなつさんがいてくれるから、俺まだ家で暮らせるんだ。
あの女とニ人きりだったらと思うとぞっとする。
家、出ちまえばいいんだろうけど、ここにはまだ、母の匂いがちゃんとある。
だからまだ俺はここにいる…
手嶋さんの匂いを抱いて今日も眠る。
あの人を引きたい。
あの人に引かれたい。
優勝も大会もゼッケンもどうでもいい。
俺はあの人と一つに…
なりたいけど…
それは見果てぬ夢なのだろうか。
シンクロストレートツイン。
俺には許されないのだろうか。
俺は机の引き出しの、後ろの方に隠したそれを見る。
金のヘアダイとワセリンの小瓶。
どっちも多分使う日は来ないだろう。
それでも用意だけはしてる…
哀れな俺…
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