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エレベーターが階下に到着し、やっとこの空間から脱出できると凪は少し安堵していた。
「兄貴、どこ行くの?飯?」
二人に挟まれ恥ずかしいやら何やら微妙な気持ちで凪は今だ俯き加減。そんな凪の頭上で雅臣が恭司にそう聞いた。
「あぁ、凪くんと社食にね。今日は時間が無いから」
ね?と恭司の綺麗な顔に覗き込まれ、はいとつられて微笑んで返事をしたら、前からふぅーんとなにやら意味深な声。パッと見上げた先の雅臣は閃いたとばかりににっこりした。
......雅臣常務、悪っるい顔して笑ってる。嫌な予感しかしない。お願いっ!やめて、言わないでっ!!
その願い虚しく
「俺も一緒に飯食っていい?」
とニヤリと笑いながら放たれた言葉にもう悪意しか感じられない。
言ったよ。言っちゃったよ。いい?って聞いてきたけど、顔に決定事項って書いてあるよ。はぁ...
凪は気分的にガックリ肩を落とした。
私は構わないけど、凪くんは? と恭司に聞かれ
嫌ですっ!!ぜ――たい嫌ですっ!!! 専務と2人きりでランチ食べたいですっ!!
と心の中で息巻いてみるも、如何せんNOと言えない日本人。しかも相手は天下の常務。
ちらと目を向け
「...ゼヒ、.........トッテモウレシイデス。」
.......。
「......おまえ、思ってねぇだろ?」
...バレてる。...て言うか、若干お怒り?
「そっ、そんな事あるわけ無いじゃないですか、
あっはははは」
目を右往左往させてオーバーリアクション気味に手を左右にぶんぶん振る。兎に角何とかこの場をやり過ごしたい。怖すぎるから。
「...あっそ。別におまえが何と言おうが俺が行くと決めたら行くし。」
雅臣のその不遜な態度の言葉を聞いて思う。
やっぱりな!ていうか、じゃあ端から聞くなっつーの!!何だよ、もうっ!!
その場で地団駄踏みたいくらいだ。こっちを見ていないのを良いことに凪が雅臣を見て内心ぼやきまくっていたら、
「残念だけど、二人きりのランチはお預けだね。」
と耳元で甘く囁く恭司の声にドキンっと胸が跳ねた。
── !!? ...ふっ、二人きりじゃ無くて逆に良かったかも。こんな微笑みの貴公子と二人きりじゃ、心の臓がもたんわぃ。今回ばかりは誉めて遣わすぞ、雅臣常務。
と、どこぞの殿様の様なセリフをトリップした世界の中で凪は伝えていた。
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