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来た時と同じ様に三人揃って重役専用エレベーターの前でその到着を待つ。
ただ来たときと違うのはその場所だ。
階下のエレベーターホールには、一般社員が大勢いて、皆一様に恭司と雅臣に恭しく頭を下げた後、初見の凪を訝しげな目で一瞥する。
う゛ぅぅぅ~、居心地悪い... 。
今更ながらとんでもない人達と行動を共にしていると思い知らされて居たたまれない気持ちになり、恭司と雅臣の間に挟まれる形で立っていた凪はそろっと一歩下がって後ろから二人のをシルエット眺めた。
専務も常務も本当に背が高いなぁ~。足だってあんな上の方から始まってるし、俺があのスラックス履いたら裾が時代劇状態になるな。
さっきまで普通に2人の間に立っていたけど、こうして見てると捕えられた宇宙人の図の方がまだマシな気がする。
振り向くと、またしても百面相している凪に恭司がふふと笑って声をかけた。
「私の優秀な秘書さん、エレベーターが到着したよ。百面相、可愛いからまだ見ていたいけど乗ろうか?」
そこの声でハッと意識を戻し、凪は慌てて端から扉を押さえてどうぞと促した。
有難う。と柔らかく微笑みながら恭司が乗り込み、凪はその言葉に破顔しそうになる気持ちを押し込め雅臣が乗るのを待つも、
.........ん?......乗らないの??
一向に乗り込む気配の無い雅臣に訝しげに視線をやると、ポケットに手を突っ込んだまま仁王立ちしている雅臣から、
「ドンくさいんだから、先に乗れよ、凪。」
逆にそう促され、え?と一瞬拍子抜けする。しかしその言葉を思い返し、どんくさいってなんだよムキーッと内心怒るも拳を握ってなんとか耐えた。
「!? 凪くん? 」
恭司の呼び掛けにハッとしてそちらを見ると扉が閉まって行ってる。それに慌てた凪は閉まる寸前に手を入れた。
ガシャンッ!!と閉まった扉に手を挟み、「っ!?痛!!」と抜いた手を擦る。
周りの一般社員からクスクス笑う声が漏れていて、先程重役階で顔を挟んだ時よりも倍は恥ずかしい。
「......だから言わんこっちゃない。おら、押さえててやるから先乗れよ」
と呆れ顔の雅臣に「閉まりそうな時は扉じゃ無くてボタン押すんだよ。しっかり覚えておけよアホ」と続けられ、
誰のせいじゃっ!! このアホんだらっ!!
と叫びだしたいのをなんとか堪えた。
自分の様な一般ピーポーが常務に扉を押さえさせて先に乗り込むなんてどうなのよと思いながらも、羞恥に耐え兼ね、申し訳ございませんと小さく呟き乗り込んだ。
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