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.........俺のせいだ。
ポロポロと静かに涙を溢しながら鎮痛な面持ちで手を握る凪に、「...そんな顔をしないで、」と恭司が言うも凪は俯き首を左右にフルフル振る。
「 凪くんにはお姉さんしかいないから解らないかもしれないけど、只の兄弟喧嘩だよ。よくある事なんだよ、」
そう言われ凪は俯いていた顔を上げ、困り顔の恭司の顔をジッと見つめてその真意を探る。
そして雅臣にも視線を送ると。こちらも困った顔で軽く頷いた。
......そうなの?
「...よかった、」
そう呟いた途端、ホッとしたのか足の力が抜けてしまい、その場にへたり込みそうになり、慌てて目の前の恭司を掴んだ。
「......っ、すみません!!」
咄嗟の事とはいえ失礼だったよなと謝ったら、恭司は腕の中に抱き込む様に抱え直してくれた。
「破片が散ってて危ないから、あちらに座ろう」
恭司はそう凪に促し、支えながら破片の無い方のソファー座らせると凪が微笑んできて恭司も自然と微笑んだ。
「...つっまんねーの。」
雅臣は座りながら天を仰ぐ。これじゃ殴られ損だ。丸く収まるどころか、雨降って地固まるみたいな感じが気に入らない。パッと見たら凪がこっちを見ていて、ふと思いつき、にっと口角を上げた。
...あの顔、 ...いやな予感しかしない。
「 なぁ、凪、兄貴、俺がおまえに何したか知りたいんだってさ。おまえから教えてやれよ。」
...............ナニって。
「 言えるか!! このど阿呆!!変態っ!!」
凪は少し巡察した後、はっきり口に出して暴言を吐いてしまい、ハッとして口を押さえて恭司を見る。雅臣には少し前にうんこ連発で罵り済みなので1度も2度もたいした差は無いので気にもならないが、恭司は違う。どう思われたか不安で仕方がない。
「ぶ、あははははは、あぁ~面白れぇ!! うん、やっぱ俺、おまえが好きだわ。」
盛大に笑った後、サラッと告白した雅臣に恭司は一瞬驚くも、直ぐさま睨む。
「.........アリガトウゴザイマス。」
そんな恭司に気づきもせず、雅臣に馬鹿にされたと思った凪は全く心の込もってない礼を言う。
「 好きだ。 凪。」
真っ直ぐ目を見つめ爽やかな笑顔でそう言った雅臣の真意にも気付かず、凪ははて?と小首を傾げて思った。
...何?一応お礼言ったじゃん。
「 雅臣!!」と凪の隣で険しい顔の恭司が嗜めると、雅臣はまたニッと笑って、
「 兄貴を煽ってる訳じゃねぇよ。欲しいものは欲しい。俺は強欲なんでね。これで同じ土俵に上がったんで、堂々と口説かせてもらうよ。」
と恭司に宣戦布告した。
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