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専務室の中に入り、入口から一番遠くにある恭司のデスクの前まで、背中に手を添えられたまま進む様促された。恭司は無言でその革張りの椅子に座り肘掛けに両腕を掛け指を軽く繋ぎ合わせると優雅に足を組む。映画のワンシーンでも見ているかのようなその綺麗な仕草を、凪はデスクから少し離れた場所でボーと見惚れてた。
「 凪くん、こちらに来なさい。」
恭司に呼ばれ距離を詰めるも、「違うよ凪くん、私の方へ来なさい。」と再度言われて小首を傾げる。
......? 来たじゃん。これ以上は進めないよ。
もう、デスクすれすれだもん...。
言われている事の意味が解らないので、今度は数センチ歩を進めると、コツと革靴がデスクにぶつかった。
...ほら、やっぱこれ以上は無理。
そんな凪を見ていた恭司は苦笑しながら、立ち上がり凪に左手を差し出す。
「 可愛いね、けれど違う。お手をどうぞ。」
にっこりとどこぞの王子様が姫をダンスにでも誘うように手を出され、凪はドキッとする。
言われるままその手の平の上に自分の手を重ねると、くいっと左に引っ張られ、デスクを回って恭司の居る側へ。
...あぁ、成る程!そっちね!! .........何でこっち!!?
きょどきょどしている凪に構うこと無く、恭司はまた椅子に座り、スッと凪の右手も取り両腕をぐっと引いた。
── !?...これは、......近すぎだろ、
椅子に座る恭司の膝の間に立たされ、見上げられる。恭司のその上目遣いな視線と距離の近さに赤面するも、いつもの様に俯いても顔を隠せやしない。困った凪はすーっと窓から眼下に広がるオフィス群に目をやった。恭司のデスクの後ろ側は一面ガラス張りなので、パノラマで景色を楽しめる。
わぁ、凄い景色。こっちには来たこと無かったから気づかなかったなー。
凪の意識が自分から逸れた事に気がついた恭司は手を離し、今度は凪の腰を抱くと自分の方へぐっと引寄せた。
「── わっ!?」
急に身体を引かれた事で、カクンと躓く様になり、凪は咄嗟に両手と片膝をつく。
!!!!?
凪の両手は恭司の両肩へ。右膝は恭司の膝の間で椅子の上へ乗り上げている。
気づいた時は余りの近さに驚きパニックになりかけたが、恭司の瞳を覗いていたら、別の考えが頭を締めてくる。
.............キス、してみたい。
恭司の唇を恍惚と見つめ、凪は自ら唇を近づけていってるが、気づいてはいない。
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